想定外(エッセイ)
いまあるリュックに飽きてしまい、毎日ZOZOばかり見ている。人気商品とされるリュックは高くてピンとこない。やっと気になる商品を見つけたが、もう自分には似合わないかもしれない。商品ページを見て時間が溶けていく地獄。
午前中、展覧会場でお茶に誘われ、付いて行ったらランチだった。サラダの付いていないメニューを選び、胃痛を我慢してハンバーグを食べた。最近は野菜嫌いで困ることが増えた。赤の他人と食事をとる人生は想定外だった。
いままで習慣的に続いていた価値観や言動が、毎日少しずつ似合わなくなっていく。山頂の景色が麓からはわからないのと同じで、加齢による変化は想定外のものばかりだ。意識的に古い自分を捨てていかないと、追いつけなくなるのかもしれない。追いつけなくなると…?