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忘年会の日(エッセイ)

仕事というのは不思議なもので、やり始めるまでは嫌で仕方ないけれど、始めてしまえば案外スムーズに事が運んで、終わる頃にはもうちょっとだけやりたいと思っていたりする。そこには「慣性」に似た魔力が働いていて、私は日々仕事に取り組むということに未だに慣れない。もう30も手前というのに。

今日は仕事を早めに切り上げ社員同士で私的な忘年会をする予定で、定時の7時ちょうどに店を予約していた。同僚も上司も、早めに切り上げようと口では言うものの、なんだかんだと業務を処理し続けて、なかなか職場を出発しない。結局私ひとりが先に店で待っておくことになり、名残惜しさを感じつつ業務を切り上げてきた。

店内で同僚と上司を待ちながら日記を書いている。仕事というのは簡単に好き/嫌いで切り分けられるようなものではなく、「働く」というのは、その綾のようなエリアに漂うことなのかもしれない。店内は仕事納めの社会人たちで混雑していて、きっとみな同じような思いで働いているのだろうと思った。

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