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年賀状(エッセイ)
何かを前進させないといけないような気持ちで、とりあえず年賀状を書くことにする。今年もスマホアプリでデザインをいじって、郵便局で白紙の年賀状を人数分購入し、セブンイレブンの複合機で印刷する。そこから喫茶店に入り直し、宛名と文章で余白を埋めていく。
腹が減ったので帰宅すると、辞めた会社から給与明細が届いていた。揉めていた立て替え経費が賞与扱いにされており、税金が控かれていたので、たまらず上司に電話してしまう。ひとしきり報告したところで溜飲が下がり、座って紅茶を啜ったところで、残りの年賀状に手をつける。
奇天烈な年賀状を送り合う先輩が二人いて、毎年何を書こうかひどく悩む。イカれたことを考える脳の筋肉をゆっくりと起こす。昔は毎日鍛えていたこの筋肉も、いまは年に一度しか使わず、活用する場面もない。卒業からもう8年も経ったのかと思わず笑ってしまう。