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三日月ロック(エッセイ)

きっかけは確かでなくて、たしかTwitterで誰かが聴いていた程度のものだったのだけれど、このところ「三日月ロック」を聴いている。まだ論じられるほどでは無い。全体を貫くもぬけの殻感というか、土台となる生命力が欠如したような雰囲気が心地いい。コード進行が判る者ならば「分析」へと進むのだろうが、あいにく私は「感じ」や「雰囲気」としか書けない。3連休明けの頭は重くて寝坊してしまった。


前に読んだ「スピッツ論」では、スピッツには動物のタイトルや歌詞が多いと紹介されていた。スピッツにとって動物とは何か?草野マサムネは動物を登場させることで人間の動物的側面を描写する。人間は所詮動物にすぎないという点に、逆説的に希望を見出すのだ。そんなことが書いてあった気がする。東浩紀の「動物化するポストモダン」とOrge You Asshole の「動物的/人間的」という題名が頭に浮かんだ。


朝の通勤電車には所詮動物が静かに詰められている。狭いケージに詰め込まれたイヌたちを思い出す。目の前の彼らは、吼えたり、走り回ったりしない。犬だったら死体のようだ。私もその一人だった。

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