文学とは(エッセイ)
起きられるか心配でアラームを大きくしてしまい恋人を起こしてしまった。見送ってもらって阿佐ヶ谷から出勤する。すっかり寒くて、厚手のアウターを買ってよかった。身体を縮こめて歩く。
職場で読んでいる『存在の耐えられない軽さ』がなかなか面白い。海外文学はなんとなく敬遠していたが、「海外文学だからこそよりわかるのだ」ということをことばの学校で言っていて、手に取ってみたのだ。その感覚は少しわかった。
いま職場では仕事をしているフリをしなくてはならずつらい。そういう処世がことごとくできない性格だと再認識させられる。世間一般から見れば贅沢な悩みかもしれないが、しんどいことには変わりない。文学とは主観の物語を生きること、なんて。