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壁(エッセイ)

今日は月に一度の心療内科の日で、職場の新人のことを話した。その新人はぼんやりしていて、繰り返し注意しても欠点が改善しないことや、同じ職場で生活しているうちにストレスが溜まり、苛々を家に持ち帰ってしまう日が増えたことを報告した。

医者は私の話を聞いて、その新人はおそらく発達障害だろうと答えた。発達障害は周囲と軋轢が生じてしまうことが多く、自覚がないため医療機関に受診するケースも少ないらしい。「壁だと思うしかないですよ」と教えてくれた。

家に帰り用事を済ませ、彼女とファミレスで勉強をした。彼女はFP試験が明日に迫っていたが、意外とのんびりしていた。ひとつ奥のテーブルでは幼児が配膳ロボットを見て「猫ちゃん!」と喜んでいた。帰りに商店街とドラッグストアに寄って、駅で別れた。

家の前に着くと隣室の住人が出てきたので挨拶をした。隣の男はおそらく20代半ばぐらいで、以前オンラインゲームの声が漏れてきたときに壁をしつこく叩いたからか、少し気まずそうな様子に見えた。きっと対面で話せばいい人なのだろうなといつも思う。

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