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現金な関係(エッセイ)
昼過ぎ、新人がはじめて契約を獲った。先週の段階では進捗が芳しくなく、教えるのを半ば諦めかけていたところだったので驚いた。「《やぐま》さんのおかげです」なんて一丁前に感謝されて居心地が悪かった。見捨てようと思っていたなんて口が裂けても言えない。
客に送る書類の作り方を教え終わったところで、ご褒美として今日は早上がりをした。思いつきで少し雑談を交わして、親しい感じを出しながらエレベーターを降りた。彼の仕事の調子がよいと、私も声をかけやすい。現金なものだ。
夕方、電車の中でどうしても眠くなり、西荻窪を過ぎて三鷹まで眠った。座ったまま折り返しを待ち、再び西荻窪に着いたところで降りた。ドトールで今日2杯目のカフェラテを飲むと胃がズキズキした。簿記の勉強を少し残して、スーパーに寄って帰った。