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スポーツ(エッセイ)
3月末でスポーツジムを退会することを思い出した。ここ半年ほど月額2980円の安価なジムに通っていたが、更衣室がなくてトイレで着替えざるをえなかったり、マシンの床に埃が溜まっていたりで、次第にジムもスポーツ自体も嫌いになっていった。今月は一度もジムに行かなかった。
学生時代のスポーツは、突き詰めれば教育の一環に過ぎなかった。いわゆる運動部は規律訓練の場に成り下がってしまうし、チームスポーツという名目で協調性が強要されたりする。結局今までスポーツ自体の楽しさには気づけないまま来てしまった。
東京のスポーツクラブは狭くて、ストレスが溜まる。郊外の広くて閑散としたジムが懐かしい。寂れた空間でだらしなさと戯れるような時間が、東京に来て少しずつ無くなってしまった。目的もなく、死体のようにプールに浮かんでいたい。