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秘密の協定 2024/06/25

裸同然だと警察からドヤされて、ポスターを剥がさせられた女性の件を未だに根に持っている。本人に根性が無かったから大した抵抗もなく収まったけれども、本来表現の自由というのはそんな易しいものではない。警察が選挙に介入してくるなんてとんでもないことだ。

けれども、ふと冷静になって思うのは、どうして私はこんなにも、この事件に留まって腹を立てているのだろうということだ。

小学校の学級会では、多数決に負けた記憶しかない。どうして私の思っていることはこんなにも通らないのだろうと、子供ながらに鬱屈した思いを抱えていた。その鬱屈はいまでも意識の奥底にあって、時折押さえようのない強さで顔を出す。

どうして私の思っていることは常に少数派なのだろうという疑問が、私と世界という関係の根底にある。私の知らない所で世界の住民は通じ合っていて、秘密裏に協定を結んでいるのだろうか。どうして私は協定に交ぜてもらえないのだろうという謎が、私を形作っている。

今日も仕事で成果が出なかった。7時過ぎに上司に電話して謝ると、同僚は今月好調だという話をやんわり伝えられた。それが、私には心底どうでもよくて、本当にまったく興味がないということがとても悲しかった。

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