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同情のエコノミー(エッセイ)

少女の保護活動をしているという件の団体は、攻撃の矛先を東京都に変えた。大々的に活動中止要請に反発している様子がSNSに流れてくる。「かわいそうな少女の保護活動をしている私達が、どうして妨害行為に屈しないといけないのか。むしろ、私達の安全を守るのが行政の役割だ。」という理屈らしい。さすがに目に余るものがある。

その様子を見ていると、同情に基づくエコノミーの「歪さ」につくづく気付かされる。かわいそうな人間を助けるという正義は、社会のありとあらゆる対象を敵視し、攻撃対象にする。ニーチェが奴隷道徳として批判しているのもよくわかる。

昔公務員を目指していた時期があった。もし自分が東京都の職員だったらと想像してみる。おそらく面倒くさいと思うだけだろう。結局そういう存在は無視するに越したことないと思い、アカウントをブロックした。もっと早くすればよかった。

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