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ねちねち(エッセイ)
不機嫌だと、人が離れていく。近頃そのことを身をもって感じている。ストレスの原因は指導中の新人で、仕事ができないだけでなく私の顔色を見て仕事の手を抜こうとする。成績を上げさせなければならないので私は彼を追い詰めるしかなく、結果的に眉間にシワを寄せ続けることになる。不機嫌を発する側の辛さなど考えたこともなかった。
いま職場は私を中心に殺伐とした空気が広がっている。上司や同僚は空気を和ませようの不自然に上機嫌を作っている。その結果、私の気難しさ際立って、さらに孤立していっている。もうひとりいる新人は肩身が狭そうに座っていて、私に気を遣っているのがありありとわかる。
午前中、再三繰り返した注意が直らないので叱ると、「以後気をつけます」と言われた。「以後気をつけると言ったって、もう何度も注意して改善しないし、何が悪いかわかっていないのなら改善もできないじゃないか」と返すと、黙ってしまった。これが世にいう"ねちねち"というやつか、と頭の中でふと気づいて、もう笑いそうになってしまった。