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人生0周目(エッセイ)

最終回が評判だった『ブラッシュアップライフ』を配信で観ている。折り返しの第5話まで見終わったが、いまのところ『架空OL日記』のほうが良い。バカリズム脚本の持ち味である幸福な間延び感が、ナレーションベースの進行によって失われてしまっている。安藤サクラの演技も素晴らしいのも、むしろ惜しく感じてしまう。好みの問題もあるのだろうが。

死を迎えるたびに"残機"が増え、"徳を積む"ためイベントを消化していくという展開は、どことなくRPGを彷彿とさせる。その上に平成のドラマや流行歌がパッチワーク状に散りばめられ、作品世界が成立している。テレビが生活の中心にあった時代を、テレビメディア自身が自己言及的に描く様子は、観ててどことなく居心地が悪い。自意識過剰だろうか。

バカリズムは好みの女優を重用するようで、幼馴染役の夏帆をはじめ、『架空OL日記』の臼田あさ美・佐藤玲・三浦透子といった面々が端役で登場してきた。後半では山田真歩も出てくるらしい。世間が見終えたドラマを追いかけて観るのは、「人生0周目」のような感じがして、それはそれで可笑しい。見終えたらまた感想を書く。

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