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遅刻(エッセイ)

彼女が待ち合わせに遅れて、時間を潰しながら日記を書いている。普段なら待ち合わせに暇潰しの本を持っていくのだけれど、今日はあいにく持っていなかった。カメラとお土産でリュックが一杯だった。

ここ半年ほど、彼女は常習的に遅刻をするようになった。付き合いたてのころは遅刻なんてなかった。安心して甘えられているともいえるし、飽きられてきたとも捉えられる。

私は待ち時間が嫌いだ。待ち合わせには時間ぴったりに着きたい。それは時間がもったいないということではなく、常に時間を行為に充て続けたいという気持ちだ。途切れることなく何かをし続けていないと気が済まないというのは、神経症的で現代的な症状だ。

「30分遅れます」というLINEだったのに、待ち合わせからもう40分も過ぎている。電話をかけてもつながらない。イライラもするし、心配もする。暇潰しの道具を持ってくるべきだった。

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