見出し画像

テレビの話はいつも楽しい(エッセイ)

TVerで『ガリレオ』シリーズの再放送を観ている。昨夜は第1シーズンの最終回を見終わったところだ。

『ガリレオ』とは、福山雅治演じる天才物理学者"湯川学"と、柴咲コウ扮する頑張り屋の新米刑事"内海"が、オカルト的な難事件を解明していく連続ドラマだ。とても人気の作品だったように記憶している。トリックに気づいた湯川が所構わず数式を書いていくシーンは、子供たちの間で大流行した。小学生の私も、毎週夢中になって観ていた。

最終回では、マッドサイエンティストの敵役を久米宏が演じていた。科学倫理に欠けた彼が柴咲コウを誘拐して、核兵器の時限爆弾に括り付けるのだが、その核爆弾がまるで「ひょうきん族」のセットようにチープで、とても可笑しかった。フジテレビがまだ賑やかだった頃の雰囲気がして、懐かしく思った。爆弾は湯川がさっさと解体していた。



3度目のワクチンを打ちに、阿佐ヶ谷駅前のクリニックに来た。初めて来る、接種の予約をするまで存在を知らない病院だった。最近では、ウイルスが弱くなっているのでワクチンを打つ必要は無いと考えも広まってきているそうだ。待合室には患者は私一人だった。

受付の脇でテレビが流れていた。夕方のニュースでは下町のデカ盛り弁当が特集されている。いつか見たことのあるような映像が、毎日繰り返されているのだろう。医者は無愛想で、目を合わせない男だった。針がチクリと刺さって、すぐに終わらせられた。蛍光灯の暗い待合室に戻って、15分ほど待機して黙って帰った。



家に帰ったら熱が上がるのだろう、ドキュメンタルをイッキ見しようと決めている。このところ読書に身が入らない。代わりに映像への集中力が高まっている。久しぶりに籠ってやろう。テレビの話はいつも楽しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?