ホテル暮らしの「技」（エッセイ）

ホテル暮らしも今日で4日目だ。京都に来たのが月曜日で、今日で木曜日が終わった。ホテル暮らしというのはラクさと大変さがマーブル模様に混ざりあっている。定期的に1週間ほどのホテル暮らしを経験してくると、乗り切る為の「技」があるということに気づいてくる。


今回の出張では、「初日に水を買い込む」という技を実践している。これはとても素晴らしい。ビジネスホテルだと洗面所の水を飲用に使うことが多く、いくら飲めますと説明されていても、無意識的に不安に感じることが多い。兵糧を守るには飲み水からではないが、水を安心して飲めるだけで暮らしの安心感が段違いに上がる。ストレスが劇的に改善する。こればスーパーで同僚がやっていたのを真似した技だ。

前回の出張からやっているのは、「ポータブルスピーカーを持っていく」という技だ。自宅と同じ環境で音楽が聴けるというだけでも、不慣れなホテル暮らしでは救いになる。聴き慣れた音楽を、できれば家と同じスピーカーで。小さな工夫だけれども、心に大きな余裕が出来る。音量にはご注意を。


小さな差異で、生活や精神は左右される。だからこそ、小さな「技」が大切になる。小さな工夫で劇的に快適になると信じるのは、「魔法」に似ている。とてもとても現実的な魔法だ。