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使途不明金 2024/10/09

数日前から営業していた作家から折り返しの電話がかかってきた。断りたいという内容だったので話を掘り下げてみると、弊社のSNSがダサいとか、他の出展者のレベルが低そうとかあれこれ要素を挙げてきた。終話後上司に「断るにしても貶め事を直接伝えてくるクソな作家だったので嫌いになる前に電話を終わらせました」と報告すると、事態が大きくなる前でよかったと返された。ホッとひと息ついたところで再び携帯が鳴ったので出ると、「やっぱり夫と相談して参加することにした」とのことだった。すっかり嫌いになってしまった。

夕方、上司が「使途不明金がある」と騒ぎ出した。10月の決算を前に経費を整理しているようだった。はじめの3000円弱のAmazonの差異は傘立ての注文が自動キャンセルになったときのもの。4月の紀伊国屋書店2,200円は内容はほぼ突き止められたものの何故か領収書がなかった。7月の数件にわたる数百円のAmazonは、調べると私が誤って会社クレカで決済してしまった私物で、「業務上横領は犯罪だぞ!」とめちゃんこ怒られた。会社にとっての使途不明は、私にだって使途不明だ。

帰宅後、弁護士をしている大学の先輩と電話。嫌がらせ騒動のあらましを報告すると、内容証明を送るのは危険だと忠告された。客観的証拠が揃わずに摘発文を送ってしまうのは、むしろ脅迫とみなされかねないという。リスクの大きさと実益の小ささに対して労力がかかりすぎるということだそうだ。自分の中の復讐心が萎えていくのがわかったが、厚意で相談しているてまえ平静を装って電話を切った。明日どう上司に報告しようかと頭を悩ませている。

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