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ロールアップ(エッセイ)

昨日買った新しいパンツを履いた。前後にタックの入った、グレーのワイドパンツだ。やや短めに裾丈を詰め、ちょうど足首が出る長さで履いている。スラックス生地は厚みがあるが、肌と隙間があるだけで随分と涼しい。出入りする空気を感じて歩く。

近頃はロールアップを見かけなくなった。私が大学生だった10年ほど前はロールアップ全盛で、差し色に靴下を見せるのが流行りだった。いまはしないの?と年下の彼女に尋ねると、ただ短足で裾を捲っているようにしか見えないとのことだった。

ロールアップにも何か説得力のある理由があったはずなのだが、今ではもう思い出せない。時代ごとの正論というのは、案外この程度のことなのかもしれない。流行でいえば、女子高生がスポーツ丈の短い靴下を履くのには違和感しかない。あとショーツを履く男性とは友達になれない。

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