アドテク_クッキーシンクとは #479
以前から広告業界まわりのツール開発に携わっていましたが、転職して本格的なアドテクノロジーに関わり始めました。この分野の専門知識を吸収するためにも、学んだことをアウトプットしていきたいと思います。
今回はクッキーシンクという技術についてです。
参考欄に記載した本はとても良い学びになったのですが、ここで出てきたクッキーシンクが(自分の知識不足で)いまいち腹落ちしなかったのでここで整理します。
そもそもクッキーとは
クッキーはWebサイトを訪問したときにWebサーバーがブラウザーに送信する小さなテキストファイルで、ウェブサイトがユーザー情報を記憶するために使用します。
クッキーには主に以下の2種類があります。
一時クッキー
1つのセッションのためだけにキャッシュされるもので、ブラウザが閉じられると削除される一時的なもの。
永続クッキー
複数のブラウズセッションのために設定されるもので、消去されるのは、有効期限が切れたときか、ユーザーが削除したとき。再訪問時にログイン状態を保持するためなどに使用される。
永続クッキーの中に「サードパーティクッキー」があり、これは訪問しているウェブサイト以外のドメインによって設定されるクッキーです。主に広告ネットワークによって使用され、ユーザーのオンライン行動を追跡してターゲティング広告を提供するために利用されます。近年これの廃止が色々と話題になっていますね。
クッキーシンク(Cookie Sync)とは
ここからが本題です。Syncとは同期を意味し、クッキーシンクは、各プラットフォームが持つ異なるユーザーIDを、クッキーを媒介にして紐づけるためのマッピングです。
各プラットフォームは独自のユーザーID(クッキーIDとも呼ばれる)を持っていますが、異なるプラットフォーム同士だとそれらは独立していて紐付け合うことができません。それらのIDをクッキーを元にマッピングし、IDとIDを紐づけることがクッキーシンクという技術です。
以下はクッキーシンク活用の流れの一例です。
1. クッキーの読み取り
広告主(DSP)や媒体社(SSP)がユーザーのブラウザからクッキー情報を読み取る
2. クッキーIDのマッピング
読み取られたクッキーIDを元に、異なるプラットフォーム間でユーザーIDをマッピング。このプロセスを通じて、異なるIDを持つ同一ユーザーを特定する。
3. データの共有
マッピングされたクッキーIDを使って、広告主や媒体社間でユーザー情報を共有する。マッピングデータを誰が持つか(DSP側のDBなのか、SSP側のDBなのか、など)については、様々なパターンがあるようです。
クッキーシンクによってユーザーIDのマッピングができれば、ターゲティング可能なユーザーが増え、より効果的な広告配信が可能になるはずです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!!