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最近のお気に入り📖

川上未映子さんの「深く、しっかり息をして」と「乳と卵」を読んだ。1冊いいなと思ったら、その方の本を片っ端から買って読む、というのを今年に入って何度もやっている。
川上未映子さんの本は、「きみは赤ちゃん」を読んでから、丁寧で綺麗な言葉と文章の運びが好きで、最近はエッセイに小説に次々手を出している。


読んで「うわっ」と思った言葉を忘れないように、見返せるように、自分のノートに書きうつす習慣がある。大学生の頃に始めてから、今回のでもう6冊目になる。本を読むのも好きだけど、ノートに書くこと、そして自分が書いた文字を見返す時間がとても好きだ。
本に書いてある文章をそっくりそのまま書きうつすだけの作業。人に言うと変わってるね、と言われるし、読む以上に時間がかかるから、自分自身非効率なことしてるなと思ってもいる。
でも、私にとってはこのムダで効率の悪い時間がとても大切で、趣味というと一丁前な感じで気持ち悪いから言わないけれど、明らかにこの作業があるから自分の気持ちの安定がはかれていると思う。普段の生活や仕事では、せかせか、キビキビ、きっぱりって感じで動いているから、真逆の時間が必要なのかもしれない。


「つまり読書というのは、どこまでも言葉と自分の心との何かしらの行き来であり運動で、」

「大事なのは建前だ。肝心なのは、それを「言わせない社会であるかどうか」「それをさせない社会であるかどうか」なのだ。
「すべての人間は平等である」という建前をどうか機能させつづけてほしいと心から願う。」

「わたしたちは、何事であれ、とても忘れやすいのだということ。…わたしたちが忘れたことに気がつかないくらい忘れやすいということは、決して忘れてはならないのだと思う。
そして、多くを語るのはいつも外にいて忘れることのできる人たちで、忘れられずに覚えているのは、そのつらさや悲しみを言葉にすることもできないまま、ずっと生き続けるのは、当事者なんだということ。」


「自分の価値観がいったいどこから発生してるのかとかそういうことを問題にしつつ疑いを持つっていうか飽くまでそれを自覚してるのと自覚してないのとは大違いだって云ってんのよ、」

「そもそもすっかり取り込まれてんのよ、その感慨を、その愁嘆を、そういう自分自身の欲望の出自を疑いもせずに胸が大きくなったらいいなあ!なんてぼんやりうっかり発言したりするのが不用意極まりないっていうか、腹立たしいっていうか無知というかなんていうかさ、」



引越しの準備に追われて、思うように本を読む時間を取ることができないのがもどかしい。
早く、新しく買ったダイニングテーブルでコーヒーを淹れて、ゆっくりたくさん本を読みたい。

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