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研究する人が可愛い

年が明けてから読書のペースが安定して、読みたい!の気持ちも上向きでとても嬉しい。
「読まなきゃ」ではなく「読みたい」という気持ちで本を読みたいと常々思う。


久保勇貴さんの『ワンルームから宇宙をのぞく』を読み終えた。30歳のJAXA研究員のエッセイ。宇宙工学エッセイ、という初めての響き。

『工学は懸命で、前向きで、偉大だ。』
『自分がワクワクするために研究をやっていたいと思う。』
研究者って、何かが飛び抜けている分変な人が多い印象だけれど、感情や"普通"の感覚も持ち合わせている文章で、久保さんという人にとても惹かれた。


理系の研究ではまあまあ権威のあるらしい大学で理系学生と多く関わったからなのか。
自分の興味に向かって研究を続ける人(部活に所属した影響で特に男子学生)たちが愛おしくてたまらない、という不思議な感情がある。

少年が何かのタイミングで好奇心と興味が高まって、その気持ちを持ったまま徐々に目指すべき進路が具体的になって、努力をした過程を想像すると、軽率に好きになってしまう。
そうして今の彼とも付き合っている。好奇心と探究心が強く、博識なのに謙虚な態度にとても興味を持った。
旧帝大の男子は基本的にオシャレともモテともかけ離れているけれど(失礼)、興味のあることに真っ直ぐで、楽しそうに話す姿を見ていると、彼のこの先が好きな研究や仕事ができる人生でありますように!と子を思う母のようになってしまう。


もちろん研究は苦しい。進歩があったりなかったり、全部パーになってやり直しになったり、でもその中で時間の制約がある。
研究の中で楽しいと思える時間なんてわずかかもしれないけれど、静かに心の中で興奮する瞬間や、もっとやりたい!知りたい!と心が湧き立つ時間があればいいと思う。


やっと昨日、彼が卒業研究の発表を終えた。
今年に入ってから、朝から研究室に籠りきりある時は徹夜して研究を進めていた。まだ修士論文が待ち受けているので、本当の苦しみはこれからなのだけど、とりあえずホッとしている。ずっとやりたかった宇宙に関わる研究(宇宙における原子炉運用とやら)ができたらしく、本当に良かったと思う。

解放されたら読めるようにと買っておいた、宇宙関連の新書や図鑑や絵本を渡したら、目をキラキラさせていて本当に愛おしい。この表情が見られるなら、いくらお金をかけてもいい、何でも買い与えたい!とおかしな感情。


やっぱり私は、好奇心がある人、その上で勉強を続けている人、が大好きである。
興味の向くままに研究を続けていて欲しい。

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