超絶マルチタスクのさばき方(うっかりさん向け)
はじめに
本業の他に副業2つといくつかのコミュニティ活動を同時進行していると「どうやってタスク管理してるの?」と聞かれることがあります。
ということで今回は、子供の頃から忘れ物が多く自他共に認めるうっかり者だった私がアナログからデジタルまでいろんなやり方を試行錯誤してたどり着いた「タスク管理の考え方」をシェアさせていただきます。ご参考になりましたら幸いです。
タスク管理の「目的」
そもそも、なんのためにタスク管理をするのでしょうか?
私は以下のように考えています。
タスク管理が甘いと...自分も周囲もアンハッピー
周囲:スケジュールの引き直しや二度手間が増える
自分:催促されるたびに嫌な気分になる
お互いに:関係性がギスギスしてくる
お互いに:徐々にコミュニケーション自体がつらくなってくる
タスク管理ができると…自分も周囲もハッピー
自分:今やるべきことが明確で迷わないからラク
周囲:信頼関係ができて仕事が楽しくなる
お互いに:定期的に「やらないこと」を明確化できる
お互いに:オーバーワークに気づいて未然に調整することができる
つまり自分も周囲の関係者もひっくるめて「幸せに働くため」のタスク管理!なのです。
タスク管理の「前提」
落とし穴、其の壱
タスク管理って自分だけでやるものだと思っていませんか?
そこが最初の落とし穴です。集団で仕事を進めている場合、個人のタスクは基本的に誰かのタスクと繋がっています。
落とし穴、其の弍
そしてもう一つの落とし穴は、タスクは生き物だということです。環境や状況の変化に合わせ、タスクも常に変化する可能性があります。
落とし穴に落ちないために
上記を踏まえ「関係者との共通認識を作り続ける」ことがタスク管理の基本なのですが、そのためには「技術的な課題」と「関係性の課題」の両方をクリアする必要があります。
技術的な課題については、後述の「道具」と「プロセス&ルーティン」で解決可能です。関係性の課題は解決が難しいことが多いのですが「嗅覚」を磨くことである程度は緩和することができると考えています。
タスク管理の「嗅覚」
タスク管理をスムーズに行うためには「やばいタスク」に気づくための嗅覚が必要です。さて「やばいタスク」とはどんなタスクでしょうか?
具体的な兆候
やること自体は決まっているが、内容が具体的に決まってない
期限が決まってない、期限が設定される気配がない
ステークホルダーが多く、人によっていうことが異なる
自分の担当領域以外がブラックボックス、全体像が見えない
誰が最終責任者で意思決定者なのかよくわからない
フィードバックされるたびに目的がブレる
常に方針変更が発生するけど、その理由が不明確
Hogehoge
感覚的な兆候
タスクを依頼してくる人が、なんか疲れてるっぽい?余裕がなさそう…
タスクを依頼してくる人が、あまりタスクの目的を理解してなさそう
タスクを依頼してくる人が、なんか横柄な雰囲気
意思決定者らしき人がなんか弱腰(責任者なのに権限がなさそう)
ステークホルダーにうっすらと対立関係が見える
なんか要所要所がふわっとしてる
今のところ順調だけど、なんとなくきな臭い
漠然とした不安がある
Hogehoge
「やばさ」の正体を突き止めて対策する
書きながら心臓がドキドキしてきました…。他にもいろいろな兆候があるはずです。二度と思い出したくもないようなプロジェクトにこそ、ヒントが隠れています。まずは、これらの兆候に敏感になることがタスク管理の第一歩。そして、「やばさ」の正体を突き止めてひとつひとつ対策することで、タスク管理はスムーズになっていきます。
タスク管理の「道具」
嗅覚を尖らせたら、次は道具を選びましょう!
ツールの選び方
料理人が包丁を選ぶ時、くらいの真剣さで選んでください。使いやすさは人それぞれなので、最終的には「好み」で選ぶのが良いと思います。
ツール選定の事例
ちなみに私は以下の条件で「toodledo」を選び、長いこと使っています。
一覧性が高く、すべてのタスクを俯瞰しやすい
期限・優先度・重要度などでソートできる
追記や修正が簡単で、面倒くさくない
関連情報や関連リンクをメモし、業務開始の基点として使える
仕事のタスクだけでなくプライベートのタスクも全部これにまとめてます。
タスク管理の「プロセス&ルーティン」
道具を選んだら、以下の手順をルーティン化しましょう!最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れるとめっちゃラクになってきます。
1. タスクを洗い出す
今ある全てのタスクをツール上に可視化・言語化する
とりあえずざっくり。この段階では内容が整理されてなくても大丈夫です。「タスクの存在を忘れないこと」が目的なので。
2. 各タスクの目的とゴール設定する
タスクの目的とゴールを自分なりに言語化する
タスクの目的とゴールを関係者と認識合わせする
これをやるかやらないかが、タスクの命運を分けます。やっても上手くいかないこともあるけど、やらないよりはマシな結果になることが多いです。
3. タスク分解し、スモールステップをつくる
ざっくりタスクを30分〜1時間で出来るくらいの粒度まで分解する
分解したタスクを箇条書きの状態でパズリングし効率的な段取りを決める
分解したタスクごとに期限をセットしてみる
WBS(Work Breakdown Structure)の考え方ですね。どこまで細かく分解するかは案件次第ですが、予定通りに進まない場合はこの分解が甘いことが多い気がします。
4. 作業時間を確保する
分解した30〜60分のタスク毎に作業時間をカレンダーにセットしておく
完了できなかった場合は、次の作業時間を改めてカレンダーにセットする
作業時間の見積もり精度があがってきたら、タスクごとではなくざっくりの作業時間だけ確保しておくでも十分かと思います。「やろうと思ったけどできなかった、終わらなかった」というセリフをよく耳にしますが、このセリフが続く時は要注意!要因を見極めて対策することが重要です。
タスクの定期モニタリングとアップデート
毎日の始業時
今日「絶対に」完了させるタスクを決めて、今日やるタスクの優先度と期限を付け直す。
毎日の終業時
明日以降に持ち越す仕事を決めて、優先度と期限を付け直す。
新規タスクが発生した時
間髪入れずとりあえず「今日のタスク」にざっくり追加。
→「2. 各タスクの目的とゴール設定する」に進む。
納期に間に合わないと悟った時
すぐさま関係者に状況を説明して相談し、期限を調整する。
→「3. タスク分解し、スモールステップをつくる」に進む。
タスクを完了した時
その場でタスクのステイタスを「完了」にする。
ステイタス更新完了したらタスク完了、という認識を持つとタスク管理が形骸化しにくくなります。
Check Point!
特に最後の「新規タスクが発生した時」と「納期に間に合わないと悟った時」が重要です。うっかり者の自覚があるなら、自分の記憶力を過信してはいけません。そして、間に合わない可能性が出てきたら即、納期調整を「タスク」として可視化しましょう。
また、全タスクしっかり分解しようとするとけっこう大変なので、タスクの重要度が低いものはざっくりのままラフに書いたり、力の掛け方は調整すると良いと思います。
おわりに
皆さんもきっと、ご自身なりの経験則からタスク管理ナレッジを持ってらっしゃると思うので、ぜひアイデアや新しいツールの提案などいただけたら嬉しいです!