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白内障の手術をしたこと
今年の2月に白内障の手術を受けました。私は働き盛りの30代半ばですが、なったきっかけと手術前、術後の経過などお話させていただければなぁと思います。
現状
術後の経過もよく、快適に過ごせております。
長いのでこれだけはいっておきたい
ネットで白内障の手術は簡単だと書かれていることがありますが、これは語弊があります。患者の負担が劇的に軽くなっていることは事実ですが、これは医療者のたゆまぬ努力による技術向上の成果であり、手術の難度が決して下がっているわけではありません。今回、執刀いただいた先生を始め、不安ななか親切にご支援いただいた看護師の皆さんに感謝を先に述べさせていただきます。
きづいたきっかけ
写真撮影が趣味なのですが(ヘッダーの写真も私がとりました)2年ほど前からファインダーを左目でのぞいたときに違和感を感じるようになっていました。最初はファインダーが曇ってるんだと思っていたのですが、いくらファインダーを清掃してもかわらないし、見え方がますますひどくなってきており、ここではじめて眼病ではないかと疑いました。
白内障ってなんだっけ?
簡潔に参天製薬HP掲載の文言を引用させていただきます。
白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。
水晶体とは、目の中でカメラのレンズのようなはたらきをする組織で、外からの光を集めてピントを合わせるはたらきを持っています。
通常は透明な組織ですが、白内障では白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなり、次のような症状が引き起こされます。
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/cataract/
白内障の見え方
上記の記事や、眼病としてメジャーな白内障で症例はたくさん専門記事等にあるので、解説はそちらにゆずりますが、私の場合、とにかく左側はずっと白いもやが立ち込めているような感じでした。
右目は幸い白内障にかからなかったのですが、左目は常に湯気立ち込めるお風呂の中のような状態、右目はくっきり見える状態なので、右側の目を当然酷使するためひどい肩こりに悩まされました。
また軽度の近視と極度の乱視のため眼鏡をかけているのですが、白内障となってしまうと度の調整が意味をなさなくなってしまう(そもそものレンズが白く濁っている状態の)ため右目だけやたらよく見えるという困った状態でさらに肩こりがひどい状態になり、肉体的にも精神的にも参ってしまいました。
ビルの反射光や、冬場の朝日、西日は天敵で眩しくてとてもじゃないけど顔を上げて歩くことができませんでした。これはもともと私がひどい乱視だったせいもあるかもしれません。とにかくホワイトアウトするので辛いものがありました。
なにより職業柄、目を酷使することもあり、QOLだだ下がりの苦痛に耐えかね診察を決意します。
診断までの経緯
まずは会社近くの眼科医にかかりました。確か診断まで1時間もかからなかったと思います。
視力と眼圧の検査、目の写真を撮られます。左目と右目の網膜を撮影した写真を見せてもらったのですが、右目は血管などはっきり写っているのに対し、左目は血管もぼやけて全体的に白い。これは典型的な白内障ですね、とのこと。
白内障は手術をしないと治らない病気で、点眼薬はあるけど進行を遅らせるものでしかないとも医者から言われ、手術という言葉にチキンな私はビビってしまい点眼薬だけもらって帰ることに。
手術するってよ
点眼薬をもらって毎日さしても、根本的な治療ではないので、苦痛はますばかり。そこで決心固めて手術をしてもらうことに。今度は自宅近くの眼科で診察をうけました。
診察を受け、無事?白内障と診断され、手術したいと意向を伝えることに。
「それじゃあ、診断書と紹介状出しますね!1ヶ月後の◯◯日にXXX病院にいってくださいね!」
長い列にならぶ
白内障はメジャーな病気で手術してくれる病院も多いです。ただし、患者もそれだけ多く、手術まで2~3ヶ月待ちは当たり前なんだそう。
手術までの道程
紹介状を受け取って1ヶ月後、XXX病院におそるおそる行きます。(実は予約されてませんでしたーとかあったらどうしようなど、そういうことばかり考えてしまうので)
しっかりと予約はとれており、目の検査を行い手術までの日程を調整します(11月末頃に予約して最短の手術候補日が翌年の2月中旬でした)。
手術自体は日帰りでできて、同伴者も必要ない(病院によっては必要なところもあるらしい)とのことでした。
医者から、失敗する確率の低い手術でも、失明や、死亡の恐れを説明されるとやっぱりくるものがありますね。ちなみに白内障になる原因は様々なんですが、私がなった原因はわからないとのことでした。
手術までのスケジュールはだいたい下記のようなかんじ。大体手術前の1ヶ月くらいで行います。
1. 事前検査を2回(手術概要の決定、術後の見え方などの打ち合わせ)
2. 手術前の合同説明会(当日までの注意事項と、手術後の注意、手術まで毎日つける点眼薬が配られる)
いざ手術に望む
事前にもらった点眼薬を1週間ほどさしてから本番に望みます。
手術室にはいるまでの記憶は定かではないのですが、
目の状態の検査を受け、血圧の検査や抗生物質の投与を受け、車椅子で手術室に向います。私の病院では白内障の手術は一度に5~10人くらい同時に行うようで、検査から手術室まではベルトコンベアで組み立てられる機械のように(これはディスっていない)、いろいろな先生、看護師さんのもとを渡っていきます。
私としてはQuake 4の人造人間にされる過程のようでめっちゃテンションあがりました(埋め込みの動画はゴア表現があるので苦手な人はクリックしないでね)
手術室のなか
手術室では患者をリラックスさせるためか、音楽が流れています。
がっつり台に固定され、強いライトを当てられ「ライトの真ん中を見ろ」と言われます。いや見えない。しょうがねえだろ白内障なんだから。
キューインとレーザーメスの音で冷静になります。
そして音楽に耳をこらす。そう、これは、久石譲の・・・風の谷のナウシカ・・・。
目の前にはレーザーメス、音楽は風の谷のナウシカ。
もうこれしか思い浮かばない。CV榊原良子。これはいいものだ。しかし、このタイミングでこれは良くない、音楽の選曲が最高に間違っている。なんだこれレーザーメスって火の七日間だったのかって目が動揺で動きまくって、先生から匙を投げられかけました。なんとか落ち着きを取り戻し本格的に切開されます。麻酔がきいているし、終始目には液体が注がれている状態なので実際は何がなんやらわからないんですが。
改めて音楽に意識を向けるとどうやらジブリ映画のテーマ曲集が流れているようでした。嫌な予感がする。
もう腹を決めたことなのでこらえましたがやっぱり来ました、天空の城ラピュタ。もうこれしか頭に思い浮かばない。
そんなわけでこれが強烈すぎて手術前後の記憶が曖昧です。
ただ術後は間髪いれずに眼帯をされるのですが、眼帯をつけるまでのほんの数秒ですが、左目が数年ぶりにクリアに見えて感動しました。
手術自体は30分かからずに終わりました。
手術費用を払って、公共交通機関で帰ります。
意外とネットにかかれていない白内障手術後の盲点
手術後の注意を聞いて、かつ実際に受けて、これからもし白内障の手術をするとしたら、絶対に冬場にすることをオススメします。なぜならば
1. 手術当日はお風呂に入れない
2. 手術から2週間は髪もあらえない(仰向けで洗髪できる床屋はOK)
3. 手術から3日はゴーグルをつけたまま生活しないといけない
4. 手術から1ヶ月は寝るときもゴーグルをつけたまま
結構きついです。特に髪を洗えないのは。水を使わないシャンプーをした後に蒸しタオルでごまかせますが、臭ったらどうしようという精神的な不安や、頭皮がやっぱり痒くなるのでそれが耐え難かったです。夏場の湿気と不快感を想像したらぞっとしました。また、私の場合、くせっ毛で髪がはねまくって困ったので手術前に散髪しておくべきだったと後悔しました。
ゴーグルは不意に目を触らないようにつけるとの説明でした。眠ってる間に目をこすってしまい感染症を起こすことがあるので眠ってるときこそつけなさいとのことでしたが、これも耐え難い。頭の周りの圧迫感もですし、頭を洗えないところにずっとつけっぱなしなんて耐え難いの一言です。汗でくもりまくることを想像してこれもまた背筋が寒くなりました。
手術費用
保険適用の単焦点レンズで約5万円でした。
遠近両用、乱視矯正など入ると先端医療保険適用か保険適用外になります。
術後の見え方
水晶体の濁りを取り除きレンズを入れるので、曇っていた視界は晴れます。
私の場合、乱視が入っているのですが当然ながらそれは治りませんでした。白内障の手術はレンズの曇りを取り除くだけで、乱視の原因(網膜の歪み=像面の歪み)は矯正できないとの理由。マウントの歪んだカメラにいくらいいレンズをつけてもピントのあった写真が得られないという理解で納得。
目の前が曇ってないだけでQOLはかなり向上します。左目がよく見えないせいで諦めていた写真をまた始めてみようかと意欲がわいてきました。
最後に
冬に手術してよかったです。当初は春予定だったのですが、COVID-19の流行もありどうなるかわかりませんでした。思い立ったが吉日でした。
目は見えるようになりましたが、ガッチガチの肩は相変わらずです。私の乱文が、以後、白内障にかかった方のお役に立つようであれば何よりです。