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【兎草子】来年度予算成立が危うくなってきた少数与党(24/12/20)

今日のニュース。与党が税制改正大綱を決定したということで、あたかもこれが来年度施行されるようなニュースが流れているけれど、とって違和感があります。103万円の壁を178万円まで大幅に引き上げるよう要求していた国民民主党との協議が決裂した状態で決定して「それなりの成果を得た」と喜んでいる宮沢税制会長はおバカですか。というか、この人なんの実績もないのに、なんとなく税制会長やっているんですよね。

与党は、少数与党であるので、野党のどこかと主要な政策で握って予算に賛成する合意を取らなければ、どんな税制大綱や予算を組んでも、ただの砂上の楼閣です。
だから、与野党協議というのは、双方が互いの要求をのみ合う話です。
国民民主党のような一点突破主義の野党との協議の場合、基本は相手の要求を丸ごと飲む代わりに、与党がやりたい他の政策を国民民主党にのんでもらう、これが交渉の基本ではないでしょうか。駆け引きは大事ですが、相手に席を立たせてしまっては負けです。そこわかっているのかなぁ。

そういう基本的な交渉もできない人に野党との交渉をさせたのは自民党、与党として失敗だったのは間違いないです。
党内取りまとめできるのと、野党と交渉できるのは別の能力。自民党も人材不足なのでしょうかね。

ということで、さてさて来年通常国会での予算審議がどうなるのか楽しみです。野党が結束すれば予算案の否決も修正可決もできるわけですからね。

妄想的には、103万円の壁、教育無償化、なんちゃら給付といった野党各党の主張を織り込んだ予算案に修正、与党が主張している壁の引き上げだけでも7-8兆円お金が足りなくなるということに対しては、省庁の一般予算を一律10パーセントカットするという手法を取れば、まあ予算は作れるわけです。まあ、そうなったら与党と各しょうちょうが泣き叫ぶかな。いや、石破総理なら潔く総辞職して、野党に政権を運営せよと言うと思います。ただ、これは結束できていない野党にとってはあまり有り難くない話。

逆に言うと、野党は、参院選を夏に控えた今、石破内閣に総辞職してほしくないのが本音でしょう。できれば面倒な政権運営は自民党と公明党にやらせておいて、果実だけもぎ取りたい、というところだと思います。
とはいえ、このままだと、与党がまともな交渉者をたてられれば、国民民主がダメなら次は日本維新の党と組んでの突破をねらってくると思いますので、野党はせめて共通の防衛ラインを持っておいた方がいいんじゃないですかねぇ。
少なくとも最近は、与党と個別の野党との政策協議の話は聞いても、野党どうしの政策協議の話って聞かないですから。


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