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【旅日記】大雨の中E8系で山形へ(24/09/21-22)


E8系に乗りたい

今年の春から山形新幹線に新しい車両E8系の運転が始まりました。
乗りに行く機会を窺っていたところ、9月の週末に推しのコンサートが山形であるとのこと、これはチャンスというわけで決定しました。

コンサートに行く旅ではありますが、E8系に乗るのも大事な目的のひとつなので、E8系の運転時刻を中心に行程を組むということになります。
3月の運転開始時点ではE8系は1日3-4往復しかありませんでした。その後増備が進みつつあるようですが、それでも従来型であるE3系での運転の方が多い状況です。そんなわけで、まずはどの列車がE8系で運転されるかを確認することが大事です。
毎月発売される時刻表には、新幹線の場合どの列車がどの形式で運転されるか記載がありますが、流石に毎月時刻表を買うわけにもいきません。(実は、私は毎月時刻表を買っていた時期があるのですが)
というわけで、頼りにしたのは、JR東日本のWebサイト。実は、E8系がどの列車に充当されるかが臨時列車含めて細かく掲載されているのです。

E8系「つばさ」の運転計画について
https://www.jreast.co.jp/railway/extratrain/2024/summer_tsubasa.pdf

JR東日本 Webサイト

これを見て、行き帰りともE8系に乗るようスケジュールを組みました。

とはいえ、今回の旅の骨格はシンプルです。
初日は、東京から「E8系つばさ」でまず米沢へ。ここでお昼を食べてから山形入り。ホテルにチェックインして休憩してから、夜はコンサート。2日目は、昼過ぎまで観光して午後の列車で帰京という感じでした。
ホテルも予約し、2日目はレンタカーも予約して万全のはず、でした。

不穏な天気予報、大雨の予感・・・

ところが、です。先週半ばになって、週末の天気よほうが不穏なことになってきました。
季節がようやく秋に向かうつもりになったのかは、秋雨前線が東北にかかり始めました。そして、なんと沖縄・奄美付近を西進して東シナ海に行ったはずの台風14号が反転して日本に向かってきました。勢力は弱く低気圧になりましたが、秋雨前線と一体となって、日本海側に大雨をもたらすというのです。しかも秋雨前線の東端は東北南部を横切る形。
山形は週末雨になりそうでした。

そして木曜日。天気も心配でしたが、東北新幹線で「E5系はやぶさ」と「E6系こまち」の連結が走行中にはずれるという事故が発生、半日運転見合わせとなりました。「つばさ」も東京〜福島間を「やまびこ」と連結して走ります。この事故はけっこう怖いことで正直原因が究明されるまで連結運転は控えた方がいいのではないかと個人的には思うのですが、JRは通常運転を再開しました。週末に旅の予定がある身としては複雑な気持ちでした。

さて、石川・新潟・山形・宮城と延びる前線は土日もそのままになりそうな気配であることが確定してきました。天気予報も土曜は終日、日曜も午後まで雨という予報です。
日曜のドライブは出羽三山のひとつである湯殿山を第一候補に考えていましたが、大雨予想ではやめるのが無難ということで、レンタカーはキャンセルすることに。本来ならばキャンセル料がかかる時期ですが、天候悪化が理由のためかキャンセル料かからずに済んだのは幸いでした。

金曜日。やはり翌日は雨の予想。特に山形県北部、秋田県南部といった先日も大雨被害にあった地域の雨がひどそうな予報でした。
すでに計画変更にはなっていましたが、山形新幹線はミニ新幹線で線路規格は在来線そのままで雨に弱いため、本格的にプランBを考え始めました。通常の旅であれば計画中止も有力候補のひとつなのですが、今回はコンサートのチケットがすでに手元にあるため、できる限り行って帰ってこようということです。

山形新幹線E8系で米沢へ

そして迎えた土曜日。乗る予定の「E8系つばさ」は東京駅9:24発です。余裕を持って東京駅に向かいました。向かう電車の中で運行情報を確認してみると「山形新幹線は大雨のため山形〜新庄間は終日運休」というお知らせが入っていました。
ギリギリセーフといったところですが、つまり山形県北部はすでに雨が強いということ、いつ南部も強くなるかわからない、という危うい状況であることはわかりました。ただ、新庄の手前の区間は7月にも大雨で路盤が崩れて復旧までの何日か不通になっていた区間でもあるので、早めに対策をとっているのだと自分に言い聞かせました。

三連休初日の朝とあって、東京駅は朝のラッシュ並みの大混雑でした。東北・上越・北陸新幹線はホームが4つしかないため、各列車は到着して乗客を降ろし、清掃を終え、再び乗客を乗せて発車するまできっかり12分で済ませて折り返してゆきます。この日の「つばさ」は発車3分前には乗車できました。これ、神業ですよね。

さて「つばさ131号」は東京駅を定刻に発車しました。まだ新車の匂いがしていました。最近投入された車両だったのかもしれません。定期列車ですので車内販売が来るのもいいですね。お約束でスジャータのアイスクリームを購入しました。早割でグリーン車を確保していたのでとっても快適でした。
ちなみに、この「つばさ131号」は「やまびこ131号」と連結して福島まで行きます。また、この列車は速達列車で、多くの新幹線が止まる上野駅を通過、「やまびこ」の多くが止まる宇都宮駅、郡山駅も通過で、大宮の次の停車駅が福島でした。

この日も東京は晴れて暑かったですが、北上するにつれて天気がどんよりとなり、福島に到着する頃には雨模様になりました。
福島からは在来線の奥羽本線に。最近では通称で山形線とも呼ばれています。奥羽本線は新幹線と直通させるため福島〜新庄間の線路幅を在来線規格の1067mmから新幹線規格の1435mmに改軌していますが、トンネルや橋梁の幅は容易に広げられないので車体幅は在来線と同じ、また途中に踏切もあることから最高速度は在来線と同じ時速130キロです。

福島県と山形県の県境にある板谷峠は鉄道にとっては厳しい急坂で、客車列車時代は4つの駅がスイッチバックでした。雨の中山形新幹線は力強く上り、峠を越えて山形県に入りました。山形県に入ると、不思議に雨が止みました。
「つばさ131号」は米沢で下車する予定だったものの、雨がひどければ万が一その後運休になったりしたらまずいので、そのまま山形まで乗って行ってしまおうと思っていたのですが、雨雲レーダーなども見つつ、そんなことにはなりそうもなかったので、予定通り米沢で下車しました。

米沢といえば、牛肉と上杉神社

今回の旅は連れと一緒ということもあり、旅の楽しみをアレンジしました。

最近の駅弁ブームの中でも人気の高い駅弁のひとつが米沢駅の「牛肉どまん中」です。この牛肉どまん中を販売するのが米沢駅前の「新杵屋」さんで、この本店のお店では1階で弁当の販売をしているだけでなく、2階がカフェとなっていて出来立ての牛肉どまんなかを食べられるのです。
ということで、まずは新杵屋さんへ。

米沢駅前の新杵屋

11時過ぎという時間だったので先客はひと組だけでしたが、入れ違いで出ていかれました。カフェなので、飲み物やケーキメニューもありますが、私たちのお目当てはもちろん牛肉です。
食事メニューとしては、「牛丼」「牛肉どまん中丼」「米沢牛ビーフカレー」のほかパスタやトーストもあります。

ふたりなので「牛丼」と「牛肉どまん中丼」を頼み、シェアして食べ比べて見ることにしました。
牛丼は、お肉と玉ねぎが煮込まれたもので、牛肉どまん中丼は駅弁同様にご飯の上にそぼろと煮込まれたこま肉という違い、味付けも牛丼は多少異なっています。もちろん、どちらも文句なしに美味しく、たちまちふたりで平らげてしまいました。

牛丼
どまん中丼

そうして食べていると、12時近くになり、お客さんも次々に入ってきて10人ほどになっていたことから、ちょっと考えていた食後の飲み物はやめて観光することにしました。

バスもあるのですが、待つのも無駄なので駅前に停まっていたタクシーで市街にある上杉神社へ。1120円でした。
米沢は上越から会津へさらにこの地に移された上杉家が江戸時代を通じて藩主だった土地。この地での初代上杉景勝や名君として名高い上杉鷹山などが祀られています。上杉神社では少し小雨もぱらつきましたが、折りたたみ傘を出したのは一瞬ですみました。

上杉神社

ふたたびタクシーで米沢駅へ戻り、今度は「つばさ79号」で山形へ。距離的には普通列車でもいいのですが、旅気分ということです。さすがに乗車時間30分ほどなので普通車です。

大雨警戒情報が出る中でのコンサート

山形に到着する前から再び雨になりました。
この日のホテルは、JR東日本グループのホテルメトロポリタン山形にしておいたので、駅直結。雨でも濡れることがありません。駅ビルともつながっていますし、コンビニもあるので超便利です。
ここにしたのは、雨を予想していたからではなく、今日のコンサート会場が駅のすぐ隣のやまぎん県民ホールだったから。山形駅の西側に広がっていた貨物駅跡地の再開発で作られたホールです。

チェックインして部屋でゆったりしていると、突然スマホが鳴り響きました。大雨による避難情報を知らせるエリアメールの緊急情報です。しかも一度だけではなく二度も。外の雨も心なしか強くなっていて、いよいよ明日はまずいかも・・・というのが少しよぎりました。ただ避難情報は、まだレベル3の高齢者準備避難でした。

コンサートは17時開演でしたが、ホテルから駅の自由通路を抜けていくだけなので、10分もかかりません。しかも、現地に行くまで知りませんでしたが、県民ホールまでの歩道には屋根がついていて傘は必要ありませんでした。これは本当に良かったです。

17時開演で終了は19時過ぎ。
開演にあたっては、もし警戒れべる4の避難指示が出されたらコンサートを中止すること、またその場合でもここは安全なので、皆さんはとどまってほしいという案内がありました。こんなライブ初めてです。
ともあれ、無事にコンサートは終了しました。

地方で開催される推しのコンサート、ライブによく出かけますが、このとき夕食をどうするかがいつも悩みです。
終演時刻が何時かというのにもよりますが、とにかく地方都市の場合、飲食店の閉まる時間が早いですから。もちろん飲み屋はやってるんですけど、私も連れもそんなに飲まないので、お酒主体の店は面倒なんですよね。

どうしても食べたいものがある場合は、予約しておくこともあります。
特に17時開演で終演時刻が20時前の場合は、なんとか食事の店に駆け込めることもありますので。
この日は19時過ぎの終演だろうと思っていたのと、特段予約するまでのお目当てがなかったので、当初プランでは繁華街で適当に見つけたところで食事かなぁと思っていたのですが、何せ雨です。しかも結構強いです。

夜に雨の中を歩くのはイヤだったので、駅ビルで行列になっていた豚カツ屋さんの弁当とおかずを事前に買っておき、ホテルの部屋でいただきました。結果的に大満足でした。
昼に牛、夜に豚、ですね。

早い列車に変更しての帰京が大正解

さて2日目。
この日はもともとドライブ予定だったのは先に書いたようにキャンセル済み。実は前日の夜から、いつが雨が強くなりそうかチェックしていました。
コンサートから帰ってきて見たテレビニュースでは、能登半島の地震被災地が今度は線状降水帯に襲われて酷いことになっている映像が流れていました。とても傷ましくて胸が痛みましたが、それとともにその雨雲がこちらへきたらまずいなと。。。

もともと確保していた指定券は、山形発14:52。やはり「E8系つばさ」です。
昨夜天気情報を確認したところで、雨が降るのは夕方まで。ただいつ強くなるかが読みにくかったです。早い時間帯のほうが強いのか、午後の方が強いのか。後者なら帰京を早めようと思っていましたが、踏ん切りつかず朝を迎えました。

和定食の美味しい朝食を食べた後に再検討。どうも午後一時的とはいえ雨が強くなりそうなので、11:00発の「つばさ138号」に空きを見つけて変更しました。最初、13:04に変更したのですが、もっと早い方がいいかなと思って再変更。結果的にこれが幸いしました。
こういう時はチケットレス特急券は本当に便利です。駅の窓口に行かずとも、ホテルの部屋で簡単に指定券の空きを探して変更が可能ですから。
早く帰るのが目的なのでE8系かどうかは考えませんでしたが、結果的にはこれまたE8系でした。だいぶ編成数が増えてきているのかもしれないですね。

変更を決めたのは、もう10時過ぎだったので慌てて荷物をまとめてチェックアウト。駅ビルでお土産を物色し、駅弁も買ってホームに着いたら10:50頃でした。

山形駅改札口

雨が強くなってきていましたが「つばさ138号」は定刻に山形駅を出発。ちなみに、この日も山形〜新庄間は終日運休となっていました。
米沢に向かう途中で豪雨のような降り方になってきて、川も増水している様子が見て取れました。
「これはまずい。止まらないでくれ」と祈っていましたが、強い雨の中米沢から板谷峠への道も順調に走り、峠を越えて福島盆地へと下ってゆくと雨もいつの間にか上がっていました。
福島駅で相棒の「やまびこ」に併結して東北新幹線を快走。大宮駅手前の鉄道博物館ではたくさんの子どもたちが新幹線に手を振っていました。

東京到着前に、運行情報を確認してみると、なんと13時前から山形新幹線は全線で運転見合わせになっていました。当初変更した13:04発のつばさ142号は山形駅を出発できていませんでした。
運転見合わせで待たされるのって、本当に見通しがつかなくて辛いし体が参ってしまうので、早い列車に変更して帰って来れて良かったです。

ちなみに、運転再開は17時頃だったようです。
もし待っていたら運転再開しても、指定券取れずに困っていたかもしれないですし、今回は先を見てのリスク管理は大事だなと再確認しました。




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