【レポート】第2回コンパスプロジェクト~ウェルビーイング〜
8月から対話を通じてウェルビーイングについて探求/模索するプロジェクト「北大コンパスプロジェクト」に参加しています。
さまざまなバックグラウンドをお持ちの皆さんと共に時間を過ごしているのですが、今月の第2回の様子をレポート。
「デザインとは、うまくいけばその存在も気づかず行動してしまうものである。ウェルビーイングに関する知識をインプットするのではなく、対話を重ねていく。そうするとあら不思議。気づかないうちにウェルビーイングについて深めることができる。」
山中先生のそんなお話からスタート。
コアメンバーの皆さんがデザインされたこの場で今日はどんなことが起こるのだろうと期待が高まる。
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|他者の存在によって、わたしのウェルビーイングが深まっていく
1回目のテーマは「私にとってのウェルビーイング」。
そして2回目の今回は「わたしたちにとってのウェルビーイング」。
世の中にはさまざまなウェルビーイングの切り口がある中、わたしたちはどう表現するか。自分のウェルビーイングについて振り返り、シェアするワークからスタート。
共感したり、あたらしい視点をもらったりと、このシェアをしているだけでも考えが深まっていく。
このワークで感じたことはこんな感じ。
●意図してゆっくりする時間をとることで ”わたしのウェルビーイング” を知ることができた
●幸せを味わうっていう表現、いいなぁ
●幸せを味わうを共有することで、さらにSpecialな時間になりそう!
●わたしの輪はまだまだ小さいな。世界平和という視点ないなぁ
人によってウェルビーイングの粒感が違う。
粒が大きいから良い、小さいからだめ、そんなものではないのだろうが、自分自身の視野の狭さに物足りなさを感じる。
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そんなちょっとしたモヤモヤが生まれた中で、次のコンテンツはOST(オープン・スペース・テクノロジー)を使った対話。
OSTとは、参加者が話したいテーマ、解決したい課題を持ち寄って、参加者同士で対話を重ねていく場。
丁寧にこの場で大切にする「4つの原則」と、「2本足の自由」を説明してもらい、もうすでにこの対話の場がスタートしているんだなぁと場が変わる感覚を受け取りながら温かい気持ちになる。
<OSTの4つの原則>
・ここに来た人は、誰もが適任者です
・ここで起こることは、全て起きるべく起こること
・いつ始まろうと、それが始まるときが適切なとき
・いつ終わろうと、終わるときに終わる
<2本足の自由>
・学んでいるか/貢献しているかを心で感じ、頭で選びながら、自由に部屋を出入りする
今回はちょうど気になっていたことを場に出してみようと感じ、次のテーマを出した。
「わたし→わたしたちに主語を変えてくことってどういうことか。
その視点があることでどんな幸せが生まれるのか。そのきっかけになることは何か」
わたしをわたしたちに。そして世の中にと、視座を上げていくことは大切なんだろうと何となくわかっている。でも何かまだ身体がついてきていない感覚。自分の視座の低さに恥ずかしさを感じる感覚もある。
何かヒントがもらえるとうれしい。そんな気持ちでこのテーマを出した。
感じたこと全てを文字にしたいところだけれど、長くなってしまうのでポイントだけ忘れないように記しておきたい。
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|人と関わること。それがすでに社会のためになる。
対話を重ねる中で、人生の先輩からも経験談を伺う。
その中でヒントになりそうなことは「ムリをしないこと」。
確かに、ウェルビーイングを目指しているのに、無理をしてしまうと元も子もない。
わたしを置き去りにせず、自分のできることに目を向け、少しずつ地に足をつけて。
そして、何かを提供することや助けることだけではない。
助けてもらうことも、他者が助けるきっかけを与えることなのではないかということも感じた。
ありのままで人と繋がることで他者の存在を認めることになる。人と関わるという行為がすでに社会のためになる。
そしてそのあり方は伝播していくのかもしれない。
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|ドローンのように上がったり、下がったり。
わたしのウェルビーイングから、社会に視座を上げていく。
そんなふうに感じていたのだが、ある方のシェアを聞いてとても心が軽くなった。
その方は、だんだんと上に上がっていく感覚ではなく、ドローンのように上がったり下がったり、その場に留まったりと自由に行き来する感覚をイメージしているという。
資本主義社会の中に生きる中で、どうしても上下、優劣の価値観が育ち、その感覚があってウェルビーイングがテーマであっても少し苦しい感覚があったのかもしれない。
その時のわたしのアンテナ、感覚を大切にしながら、視座を自由に調節しながら、自分と社会とつながっていく。そんな感覚を持つと良いのかもしれない。
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テーマを出した時は、人が集まってくれるのだろうか、、、と不安を感じていたけれど、共に場にいてくださったみなさんのおかげで本当に素敵な体験をさせていただくことができた。
自身の考えを場に出し、受け取り合い、対話の中で新しいストーリーが展開されていく。このプロセスがすでにウェルビーイングに繋がることだなと今改めて感じている。
人と関わることがウェルビーイングにつながるとしたら、どんな風に関わっていくと良いのか。大切にすることは?
そんなことを一人ひとりが想像しながら人と繋がっていくと、ウェルビーイングな社会が展開されていくのかもしれない。