ネズミとハツカネズミの話
ブル~ムバロウでは二色の組み合わせごとにクリーチャー・タイプが割り当てられることが発表されています。
青黒がネズミ、赤白がハツカネズミとなっています。
このハツカネズミというクリーチャー・タイプですが、登場時から「ネズミ」という語彙を持つ日本人を苛立たせていますね。
正直なところ「シンデレラのカボチャの馬車を牽くのがドブネズミで良いわけがないだろう」で済む話なのですが、もう少し客観的に「Rat」と「Mouse」が別のクリーチャー・タイプであることがMtG的にどの程度特異なことなのかを見ていこうと思います。
「統一的な基準を作ろう」などというナイーブな考え方を許さないクソ大雑把なクリーチャー・タイプ
「Rat」は齧歯目ネズミ科クマネズミ属の動物を指し、「Mouse」は齧歯目ネズミ科ハツカネズミ属の動物を指します。つまり「科が同じなら同じクリーチャー・タイプ」のような基準を見出すことができれば、それに反している「Rat」と「Mouse」が別のクリーチャー・タイプであることは基準を逸脱していると見なすことができます。このようなアプローチはすぐに「Bird」や「Insect」、「Fish」のようなメジャーでクソ大雑把なクリーチャー・タイプに阻まれます。
「鳥」は竜弓類に属する脊椎動物で、分類階級は科の上の目の上の綱です。この基準を横展開していくと、例えば「哺乳綱」に属する動物である猫や犬や羊や馬やサイや狐や大鹿やリスやネズミやハツカネズミや人間や類人猿や猿などはすべてクリーチャー・タイプ「哺乳類」であるべきです。これは明らかにおかしな話です。
ということで、分類学を使って機械的に適切か不適切かを決定しようとすると大変なことが起きます。
「科」が同じでクリーチャー・タイプが違うという例は他にあるのか
統一的な基準が作れないにせよ、細かさの限度を見出すことができれば、そこから逸脱しているかどうかが一つの指標になります。
ということで、科が同じでクリーチャー・タイプが違う例が「Rat」と「Mouse」の他にあるか探してみます。するといくつか例が出てきます。珍しいことではありますが、「科」が同じでもクリーチャー・タイプは違っても良さそうです。
「Sheep」と「Goat」
ウシ科ヤギ亜科ヒツジ属とウシ科ヤギ亜科ヤギ属です。
「Camel」と「Llama」
ラクダ科ラクダ属とラクダ科ラマ属です。
「Dog」と「Fox」と「Jackal」
イヌ科イヌ亜科イヌ属とイヌ科イヌ亜科キツネ属とイヌ科イヌ亜科ジャッカル属です。
「Ferret」と「Badger」と「Wolverine」と「Otter」
イタチ科イタチ亜科イタチ属とイタチ科アナグマ亜科アナグマ属とイタチ科クズリ亜科クズリ属とイタチ科カワウソ亜科カワウソ属です。なんでイタチこんなに多いの???
2024/07/03 追記
さらにイタチ増えるの???
http://mtgwiki.com/wiki/%E9%BB%92%E8%B2%82
見落としていましたがイタチ科クズリ亜科テン属の「Sable」がありました(uiroさんありがとうございます)。
なんでイタチこんなに多いの???
シンデレラのカボチャの馬車を牽くのがドブネズミで良いわけがないだろう
そういうわけで、「Rat」と「Mouse」が違うクリーチャー・タイプでもMtGには同様の前例がいくつかあり、シンデレラのカボチャの馬車を牽くのがドブネズミで良いわけがないので「Rat」と「Mouse」は違うクリーチャー・タイプであるべきです。