「エモい」だけで、片付けたくない
片付けたくないけど、語彙力が足りない
エモいって言葉を最初に聞いたとき、なんじゃそりゃって思った
絶対使わんやろな、とも
でもあの便利な言葉を、使わざるを得ない状況になってしまった
ブロードウェイで活躍している作詞作曲家コンビがいる
Pasek & Paulと言う二人組である
誰それ?って思ったそこのあなた
実は絶対に知ってる
日本でも2018年に公開され、ブームとなったミュージカル映画
The Greatest Showman
この映画の作詞作曲を手がけたのが、Pasek & Paul
This is Meの人気が出たのは、2人が作る曲が「エモい」
つまり、人の感情を揺さぶる曲である証拠だと思う
私が最初に彼らを知ったのは、Dear Evan Hansenという2017年公開のブロードウェイミュージカル
その中にWaving Through a Windowという、高校生である主人公が自分の思いを吐露する曲がある
人と接するのが苦手な主人公が歌う曲は、SNSが流行する現代の人たちの心情をうまく表していると思う
曲のタイトルの中のWindowは、窓だけでなくPCのディスプレイを意味する
窓越しに手を振るけれど、誰も気づいてくれない
目の前にはたくさんの人がいるのに、どうしても感じてしまう孤独感
きっと現代社会で誰しもが少しは感じたことのある感情だと思う
この難しい曲を歌い上げるBen Plattの儚い、張り裂けるような歌声もまた、エモいに拍車をかける
広い舞台の上でたくさんの役者に囲まれて歌う主人公だけど、誰一人として主人公に目を向ける人がいない演出もまた、エモさを際立たせる
「エモい」という言葉で片付けたくないけれど、言葉が足りない
そんなジレンマに苦しみながら、私は今日もこの曲を聞いている
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