引き算で作られた?!新しいもちもち食感
・デュラムセモリナと水のみからなるパスタは古くからレシピが確立されていて、太さや加水度に応じてさまざまな料理に用いられている。
・しかし、素材が2種類のみと非常にシンプルであるため、今になって新しい食感を引き出すことは一見難しそうである。
・日本人が好む食感の一つに、「もちもち感」がある。古くより餅は万人に愛され、最近では米粉パンやタピオカ入りドリンク等の人気からも伺えるように、もちもち感は既存の食に対して付加価値を与えている。
・このようなもちもち感を生み出すための手法として、もち米やでんぷんを加えるなど、もちもちな材料の特性を「足し算」的に付与することが行われてきた。
・「足し算」的なアプローチは、材料を混ぜるだけであることや、混合率によって食感を容易にコントロールできることから便利な反面、広まるスピードも速く、真新しさは既に薄れつつある。そのため、新たな「もちもち」感が渇望されているのだ。
・〇〇スパゲティは、従来手法とは全く異なる概念である、「真空圧縮」という「引き算」的なアプローチによって新たなもちもち感を引き出した。材料を一切添加することなく、麺の密度のみ変えるという構造的なアプローチによって、違和感の無い新たな食感を生み出すことに成功しているのだ。