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「真の旅人だったというイメージ」_松尾芭蕉について考える_230419

 松尾芭蕉に惹かれる理由について考えると、その一つは彼が真の旅人だったという点にある。どこをどのようにして歩いていたかは詳しく知らない。しかし日本中を歩きながら俳句を作って人生を終えたというイメージがある。その生き方に魅力を感じていた。

 今の人は多くの人が生きるために活動しており、生活の大半はお金を稼ぐための仕事であると考えられる。当時もそういう人はいただろう。しかし芭蕉の「生活」は、一般的な人の「生活」とは異なる。俳句を楽しむために生きた。働くことよりも、つまり生きるよりも自分が大事だと信じたものを一生をかけて、命をかけて追求した。それは彼の俳句への情熱の証明であって、魅力を感じる点である。

 単純に好きなことを仕事にしていたのとも違う。こういう生き方は、達成したから素晴らしく、挫折していたとしたら惨めなものだっただろうと思う。

 では、具体的にどれくらいのペースで旅をし、どうやって最低限の食事をし、どの程度の作品を残して、何を達成したかったのか。次回から見ていきたい。

 

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