未練はないのに、心がざわつく夜。
昔好きだった会社の先輩から、突然LINEが来た。
「今、○○と▲▲と飲んでるけど来る?」
半年ぶりくらいの連絡だった。
結局、私は断った。すると電話がかかってきて、彼はこう言った。
「えー、もうチャンスないで。俺、もうパパになるし」
その瞬間、胸がざわついた。
別に、彼に未練があるわけではない。
5年前には、すでに吹っ切れている。
彼がパパになろうが、何をしようが、本当なら私には何の関係もないはずだ。
なのに、なんだろう、この気持ちは。
「えー、それはおめでとうございます!」と返したら、
「いや全然おめでとうって思ってなさそうやん!」と笑われた。
確かに、心の底からおめでとうと思っていたかどうかは怪しい。
でも正直なところ、ここ最近、誰が妊娠しても、どんな報告を受けても、同じようなテンションだと思う。
だからおめでとうって思ってるし多分思ってない。
別に、彼がパパになることを願っていなかったわけではない。
そもそも、何も考えていなかったのだ。
ただ、事実として、私は結婚もしていなければ、子どももいない。
何の進捗もない。
(ちなみにその彼は、私がくすぶっている間に離婚を経験し、次の結婚相手を見つけている。)
昔は、今の時間に堂々と自信を持っていたはずなのに、最近の私は足元がおぼつかない。
虚無感と悲しさが心に溢れてきて、気持ちが落ち込んでしまう。
これは悩み、とかではない。
もっと漠然とした、名前のない感情。
乗り越えられるはずなのに、今の自分にはそれができない気がする。
前はできていたはずなのに。
でも、でも、なんとかして、
自分を信じるしかない。
私だって幸せになる。