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まちづくりは"仲間づくり"だった件【香川県三豊視察レポート】

行きたてホヤホヤで書き殴ろうという新たな取り組みですが、2月5日(日)~2月6日(月)の2日間で、香川県にある三豊市というまちに視察に行ってまいりました。
これまで、地域づくりを学ぶために、北は北海道〜南は奄美大島まで全国を駆け回っておったのですが、そのほとんどが同僚や個人で行くばかりでした。
今回は、熱い想いを持ったカシマの同志たちと香川県三豊市に足を運び、総勢20名でこの街で何が起こっているのかを肌で感じてまいりました。

はじめに

香川県三豊市って?

三豊市観光交流局HP(https://www.mitoyo-kanko.com/access/)より引用

三豊市は香川県西部に位置するまち。高松空港から高速道路も使いつつ車で1時間ほどのアクセスです。人口は約6.5万人。
観光や地域づくりに関わりのある人であれば、ここ数年で急に聞き馴染みがでてきたこの"三豊"という名前。
かつては香川県民であっても訪れたことがない人が多かったエリアだそうなんですが、わずか5年程度で観光客が100倍近くになっている地域です。

その理由の1つとして挙げられるのが、この父母ヶ浜。日本のウユニ塩湖と言われるほどに風光明媚なスポットとして、SNSで若者を中心に話題になり始めています。

三豊観光交流局HP(https://www.mitoyo-kanko.com/beginner/)より引用

なぜ三豊なのか?

今回私たちが三豊に視察に行った理由は、父母ヶ浜だけではありませんでした。むしろこのビーチは目的の全体の5%程度。
この地域の成功の裏側にはたくさんの背景が詰まっていました。

地域が盛り上がる1つの例としては、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」をはじめとして、スーパークリエイターや資本の存在によってまちが変わっていく様子が、メディアなどでは大きく取り上げられています。(もちろん、成功事例の全てがこのような事例というわけではなく、ここではあくまで対比的に記載しています)

三豊で起こっているのは、スーパークリエイターがまちを変えているのではなく、地域に、まちに根付くプレイヤーたちが「共助」の文化のもと、"自分たちがやりたいこと"ドリブンでムーブメントを起こしているという状況でした。

プレイフルでサステナブルなまちと描いていきたい私たちは、その街に関わる人々の自己実現が叶うことこそが重要だと考えていたので、この仮説をもとにすると、"三豊"という地域は私たちにとってたくさんのヒントを得られるのではないか?と思い、視察に伺うことに決めたのでした。

視察を通して私が得たものは、大きく2つ。

  • 「やりたい」ドリブン

  • 「共助」の文化

でした。

自分の「やりたいこと」ドリブン

今回の三豊視察では、地域でさまざまなプロジェクトを起こされているプレイヤーの皆さんから直接、プロジェクトの背景や内容についてプレゼンをしていただく機会がありました。

彼らのプレゼンを聞く上で、誰しもに共通しているのが、Why(理由)が明確であるものの、「俺は○○が大好きなんだ」「○○がやりたいんだ」→「だからやってるんだ」と、"誰かのため"でもありつつ、究極的・最終的には"自分のため"であるということ。
自分のためだから、好きを突き詰めているしトコトン深掘っている。だからこそ、他人を惹きつける魅力がたくさん詰まっていました。

企業で事業運営をしていると「課題ドリブン」という言葉を使い、Actionを起こす上でのWhy(理由)は、起こっている課題を解決するためというのがよくある考え方ですし、大事とされています。(間違いなく大事だと僕も思います。ここでもあくまで対比のために記述。)

地域課題を解決することや、地域で困っていることを解決することはとても大事なこと。(その課題解決思考が、自分を本気で揺り動かすのであれば、それもとても大事なWhyです。)

でも、それ以前に、自分の想いや考えに対して逃げずに自分ごと化し、自分のやりたいことを他者に話してコミットメントする。

この文化が根付いていることが何よりも、この三豊の魅力を生んでいる理由なんだという実感値が生まれました。(だって自分の好きなことを貫いて行動し、結果を出してる人の方がカッコイイし面白いと思いませんか?

まちが変わっていくきっかけの1つとして、うどんを打たないと泊まれない宿「UDON HOUSE」に、予約がない日に地域の皆さんが夜な夜な集まり飲み会を開いて、そこで"自分のやりたい"を共有し合うようになっていく。そんな文化が始まったことにあるそうです。そんな毎晩を通じて、本気で応援し合い、全力でぶつかり合える本当の仲間達になっていったようです。

古民家を改装した「UDON HOUSE」 予約がない日にここで飲み会が開かれまくり、
それぞれの"やりたい"やアイデアが生まれていったそうです

そして、もう1つの大きな魅力は、その「誰かの"やりたい"」をしっかりサポートする文化・環境があるということでした。

"宗一郎豆腐"や"宗一郎珈琲"を手がける今川宗一郎さんのプレゼンをみんなで聞いてる図
熱量高く自分の"やりたい"を話す姿がとても印象的でした。

大切なのは「共助」の文化

「公助」「共助」「自助」なんて言葉を聞いたことがある方は少なくないと思います。
公助:行政などによるサポート/セーフティネット
自助:自分の力でなんとかすること

三豊では、上記の間にある「共助」の文化・デザインを大切に、重要にされていました。
共助:共に助け合い、補い合うこと

何かまちで新しくプロジェクト・事業を始める時のイメージが一番わかりやすいかもしれません。

公助:行政からの助成金・補助金を活用してプロジェクトを推し進める
自助:自分の個人資産や、自分がリスクを負い融資を受け、プロジェクトを推し進める
そして、
共助:事業に関わる仲間を集め、お金を出資し合い、皆で助け合いながらプロジェクトを推し進める(リスクは分散、利益も皆で分配)

「やりたい!」の声がたくさんでてくるようになっても、お金の面でどうしても壁が生まれてしまう。
それを皆で突破していこうという考え方が三豊にはありました。

その例の1つがこちらの「URASHIMA VILLAGE」。

1部屋4~10名定員(棟によって異なる)の宿泊棟が3棟
瀬戸内海に面しており眺望は最高
サウナとジャクジー付き

三豊では5年で100倍もの観光客が増えていますが、その観光客の滞在時間はそう長いわけではなく、宿泊施設も少ないという課題がありました。

そこに対して一石を投じようと地元企業の複数社が連合。お金を出し合い、それぞれが自身の役割を担い(地元の設計会社さんが設計をし、建築会社さんが施工をし、リネン会社さんが清掃を担当しなどのイメージ)、得た収益は出資比率に合わせてリターンしていくということです。

ミソなのは、出資企業がこのプロジェクトを進める上で役割を担っているため、出資をしたお金はそう遠くない未来で回収できてしまう。まさに共助のファイナンスが成り立っていたのです。

【告知】三豊視察報告会を開催します!

そんな貴重な体験を視察メンバーはしてきたわけですが、この体験価値を少しでも多くの人に共有したいということで、きたる2023年2月16日(木)に「三豊視察報告会」を実施します!

"スナック カシマ"と題して、地域で活躍するプレイヤーの方にフォーカスを当てて、みんなでゆるくお話ししようじゃないかというミートアップイベントの記念すべき初回としての開催です。

代表してお話しいただくスピーカーの方には、三豊で得たことと、ご自身のこれまでの取り組みやこれからまちで起こしていきたいアクションについて聞いてみようと思います!

大変ありがたいことに、当日会場参加枠は満席となっておるのですが、オンラインでのご参加はまだまだ空きがある状態です。
三豊の魅力に興味がある方は、ぜひ以下リンクよりお申し込みいただければと思います!

そのほか:三豊視察シーン

これより下は、イベント内容のネタバレにならないようにイベント終了後にアップ予定です!

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