山田雅人のかたり
前の日曜日の「笑点」では「演芸」のコーナーで山田雅人さんが出演されていた。スポーツの名場面を1人語りで表現する「かたり」という芝居芸と「架空競馬実況」を披露されていた。
山田さんがレギュラーであるラジオを聴いてるとこれがかなり話題になったと聞く。個人的によく聴いてるラジオだが、芸自体はやってるところを見たことがない。気になった僕は久々に笑点をTVerで見てみた。
長嶋茂雄物語
今回のテーマは「長嶋茂雄物語」。プロ野球の歴史で唯一「天覧試合」だった1959年6月25日の「タイガースvsジャイアンツ」のシーンが主な舞台。そこで主役となる「ミスタージャイアンツ」長嶋茂雄の生い立ちとともに名シーンを描く。
ラジオとは別人
緩急を付けながら、伝説の試合を淀みなくしゃべっていく山田さん。生い立ちにおける格言など取材量もかなり豊富だし、本業が俳優だけある。普段の関西弁を封印していて、もはやラジオとは別人のよう。
長嶋と村山実(タイガース)が対決する描写の実況はテンポがよく。名試合たる所以が山田さんの口だけでよく伝わってくる。
時代を越えて
最後にはこう締めた。
あのホームランがなければ大谷翔平の活躍はなかったことでしょう。
自分が知らない時代の野球ながらも、このホームランは歴史的であり、「ミスタージャイアンツ」と称される所以なのだというのがよくわかる。実は今の野球、とりわけ「オオタニサン」フィーバーにも繋がってるということが伝わる。
架空競馬実況
「かたり」のあとのおまけで「架空競馬実況」と披露。「オグリキャップ」「ルメール」など名馬に混じって、笑点メンバーたちを馬に見立てた。山田さんの実況はプロであるアナウンサーに引けを取らない。目を閉じて没入している山田さんは見ててカッコいい。笑点にまつわるフレーズやメンバーのお師匠の名前を出すなどイメージが完璧にも見える。
「かたり」にシビれた僕
ラジオとは全く違う山田さんに僕はシビれた。失礼ながら、「三代澤さんにツッコむおっちゃん」というイメージだけでラジオは聴いていた。「かたり」は名前だけでしか知らなかっただけに貴重なものが見れた。
台本なし、マイク1本、シッティングのみでスポーツの凄さを語るのはスポーツを愛し、演技を生業にする山田さんだから成せる技だと思う。話芸の真髄のような感じもする。
60年前の野球は甲子園歴史館で見ただけだが、こんなに面白く興奮できた。「かたりの世界」というのを定期的にやってるそうだが、いつか見に行ってみたくなった。