渦中で貨物展示@京都鉄道博物館
2024年9月12日から同月24日まで京都鉄道博物館の展示スペースでJR貨物の電気機関車と貨車、コンテナが展示されている。
博物館にやってきたのは下記の通り。
EF65形電気機関車
コンテナ貨車「コキ110形」「コキ107形」
車掌車「ヨ8000形」
JR貨物「20D形」コンテナ
ブルボンの冷蔵コンテナ
日本石油輸送(JOT)冷蔵コンテナ(ネスカフェコラボ)
西濃運輸のコンテナ
コンテナは貨車に積載された状態で、機関車と車掌車が並列で展示。展示とタイアップして、隣接する京都貨物駅見学など関連イベントも多数用意されている。このイベントは2週間前に発表されていたが、開催前1週間はイベント中止が危ぶまれるできごとがあったばかりだ。
その理由はこの不祥事。新山口駅で脱線した電気機関車を調査した結果、車輪の組み立てデータ改ざんが発覚。9月11日にはJR貨物の全列車を運行停止させ、全機関車と約7000両に渡る貨車を緊急点検することになった。点検でも新たにデータ改ざんした貨車が発見された。発送した荷物が2、3日遅れるなど大きな影響を与えることとなった。
展示イベントは決行されたが、この不祥事によると思われる変更が2点あった。
電気機関車を変更
展示スペース入線イベント中止
当初は真っ赤な電気機関車「レッドサンダー」が“出演”する予定だったが、「EF65形」が“代打”をすることになった。ただ、グッズのデザインは「レッドサンダー」で販売される。
展示スペースでは初日の11時頃に機関車や貨車が入線するシーンが見られるはずだった。しかし、非公開で入線することになった。
ただし、パンタグラフ上昇作業の実演は通常通り行われた。僕は現地に着いたときにこれを見ることができた。
JR貨物職員が3人で、関連機器を確認しながら、パンタグラフを上げていた。この下では博物館スタッフが解説していた。
最後には、職員3人が機関車前に集合。集まった鉄道ファンから盛大な拍手が贈られた。
信頼揺らぐ、大変由々しき事態の渦中。今こんなことしていいのかどうかは賛否あるとは思う。しかし、待ってくれてるファンはたくさんいるし、あの拍手が物語ってるとも思う。こんな状況でもファンを喜ばせ、あんなパフォーマンスしてくださったことはありがたいし、いいもの見れた。
ポスターのキャッチフレーズには今に通じるこんな言葉を見つけた。
「この国の物流が試されている」
まさに今がそういうとき。せっかく貨物列車のよさが見直されてきてるのにもったいないことしてると思う。
果たして信頼回復できるのだろうか。