ピンチ&チャンスな3日目
「サイコロきっぷ」3日目は特に激動な1日だった。楽しい旅の一方で、2度もピンチに見舞われては、逆に良い出会いもある「チャンス」もあった。そんな出来事をまとめて綴る。
西鉄天神大牟田線
大牟田まで来て、たまたま見つけた「電車カフェ」で一服した後、今度は西鉄電車に乗って「福岡天神」を目指す。
改札に入ってホームに入ると早速急行が来ていた。
水都!!
そこにいたのは観光列車「水都」!!水郷で知られる福岡県柳川市をフィーチャーしている1編成しかいない特別仕様。天神大牟田線の特急や急行として日常に紛れ込んでいる。
柳川の四季折々の風景が描かれ、トレーディングカードのようなものも配布されている。
たまたま出会した
前方に来てみると、撮影機材や腕章を付けた黒づくめの2人組がいた。実はこの日「ビコム」とい映像制作会社のロケに出会していた。運転席ではカメラの調整、録音機材設置が行われ、車内のスピーカーには録音機材がもう1台設置。これを合成して1つの作品になってるということだろう。乗務員さんも窓を拭くなどお手伝いしていて、何やら微笑ましい。昔からよく見ているビデオDVDの会社だから、まさか舞台裏に会えるだなんて。。
黒づくめのあの列車が…!
それだけにとどまらず、JRの方角には観光特急『36ぷらす3』が来ていた。1週間かけて博多から九州8県を周るのだが、この日は博多から鹿児島までの「木曜日ルート」に出会していた。「ななつ星」よりかはお手頃な列車だし、最低でもこれは乗っておきたい。
発車
11時に大牟田を出てまず、隣の新栄町に停車。そこから柳川、大善寺と少なめの停車駅。
単線区間もちらほらあるが、通過列車はトップスピードで通過ができるため、110㎞/hぐらいは出している。阪急の特急とほぼ同じだが、体感的には新快速を思わせる。
1度目のピンチ
そんないい旅路だったが、乗っているとトイレに行きたくなってくる。我慢するのは慣れっこな方だが、終点まで音楽と共に乗っておきたい気持ちが傾いてなかなか降りれないし、車内にトイレがない。福岡市内に近づくにつれ、停車駅が細かくなって、その度のブレーキの衝撃が行きたさを加速させる。さらに我慢のフェーズも変わってきたことで音楽でも紛らわせ切れない大ピンチとなった。結局、福岡(天神)駅の隣、薬院駅で下車。なんとか最悪事態は避けられた。朝食と大牟田までの道中、大牟田にカフェでコーヒーをたらふく飲んでいたのがおそらく原因。大好きではあるが、飲み過ぎたらこんな事態になるのかも。
とはいえ、レアな列車といい出会いとたくさんの曲を聴きながらの旅で非常に満足だった。
乗れるか乗れないかの大ピンチ。
「海の中道」をゆっくりしていて、帰りの「サイコロきっぷ」を見る。さらに博多に着く時間を見ると衝撃を受けた。
なんと接続が良くなく、15分待ち、そして到着時刻が指定した列車発車4分前。この衝撃を受けて他の手段を探したが、ギリギリの列車に全てをかけるしかなかった。乗れるか乗れないか瀬戸際の大ピンチだが、到着ホームは新幹線に一番近く、博多駅の構内マップをガン見、乗り換え改札のやり方をチェックしてなんとか間に合いそうな準備はした。
出発&衝撃の混雑
14時12分発の香椎行きに乗って香椎へ。そこで15分待って後に荒木行きがやってきたが、そこで見た光景でまたピンチになって心の中で叫んだ。
お盆の新幹線やん!!😫
というほどのすし詰めで200%ぐらいの混雑。しかも15時台でのあの混雑は関西でも見ないからびっくり。それと同時に乗降による遅れを気にした。
間に合うか…
案の定、乗り降りは時間がかかって1分遅れで博多に到着。同時に着いた「福北ゆたか線」とバッティングしてさらに大混雑。なかなか進めないし、階段もちょっと遠い。それでも、空いた場所を見つけては前に進んで新幹線乗り換え改札へ。切符を入れて、海の中道駅からの運賃を「モバイルSuica」で精算。そのまま、階段を手すりを掴んで、一段飛ばしで駆け上がると
なんとか発車約2分前。『銀河鉄道999』の発車メロディもまだ鳴っていなくてホッとして、乗り込んだ。幸い息も上がらずなんとか体力温存、ケガやぶつかることもなくわずか2分で乗り換えを完了させた。最早、奇跡ではあるが、接続列車はちゃんと余裕持ってリサーチせななと思った瞬間だった。とはいえ、乗れたのは嬉しかった。
そんなこんなで乗ったのは指定席。帰りでも設備が豪華な鹿児島からの「さくら」をセレクト。一応遅れた場合は自由席に乗れるし、それでも良かったが、座れる保証が無い。
夕暮れの山陽は行きとは違った光景。トンネルばかりではあるが、山々、市街地の光景、夕日が非常に美しい。
特に、広島ではいろんなところが真っ赤に染まった光景がなかなかの面白さ。県民に愛されている球団なのがよく分かる。
おまけに貨物ターミナルを見ると、「瀬野八(セノハチ)※」という急勾配区間に欠かせない「貨物界の『オオタニサン』」EF210形300番台が所狭しといる。関西にいると引く姿をよく見ているが、ぜひとも山陽線に乗って「本気の二刀流」も見てみたい。
夜が来て、関西で人気の海苔佃煮『アラ!』の看板を見つけると姫路を通過。時速300km/hで飛ばしていく。
博多から約2時間半。新大阪駅に辿り着いた。そこからもいい出会いが。
新大阪駅では通勤特急「らくラクはりま」に出会い、そこから京橋駅で降りると名前だけ知ってるバンドマンの弾き語りに出会した。おそらく乗り遅れてたら出会えなかったかもしれないことで非常に嬉しかった。
まさに「ピンチ&チャンス」な列車旅を振り返った。反省もあったが、ギリッギリ失敗せずに済んだのは幸いだったし、良い人の出会い、珍しい列車の出会いがあった。実は新幹線に乗る前に心の中で「絶対大丈夫!絶対大丈夫!」って心の中で唱えたからこんなええことあったのではないかなんて思ったりもしている(知らんけど)。とはいえ、まずは計画的にやる方がスムーズだってのはよく分かった旅だった。