まーるいランドマークと帰り道
阪急と「のせでん」の「妙見の森フリーパス」というフリーきっぷで「のせでん」や「にしきた」こと西宮北口駅、北千里駅と巡ってきた。まだ明るいうちだったので、今度は梅田へ。もうすぐ変化するあのランドマークを見に行く。
まーるいビル
大阪で長年親しまれている「大阪マルビル」。名の通りの特徴的な形で梅田を象徴する1つとなっている。
1階には「ファミマ」や駐車場、レンタカー受付、「スタバ」などがある。また、バスターミナルもあり、関西空港や大阪空港(伊丹空港)への「リムジンバス」を中心に発着している。また、建築家安藤忠雄さんのプロデュースで下層部が緑化され、「緑のテラス」が整備された。上層階には「大阪第一ホテル」が入っていて、大阪ど真ん中を一望できる。ただ、割りと高級そう。
てっぺんのシンボル
頂上部にはビルを所有する「大和ハウスグループ」のロゴと時刻などを表示する電光掲示板がある。
この場所というのは昔、円柱状にぐるっと囲まれた巨大な電光掲示板があり、新幹線のように文字ニュースを配信したり、「オリンピック招致※」「W杯」などの盛り上げムードのときに文字を流すなどしていたこともあった。「マルビル」と言えば、これを思い出す関西人は多いだろうし、「ミナミのネオン街」に引けを取らない大阪のシンボルの1つとして一際輝く存在だった。
建て替え
そんなランドマークがもうすぐ建て替わることとなった。老朽化を理由に来年で閉館した後、一旦取り壊して更地にし、そこに万博開催時「夢洲行き」会場アクセスバス乗り場として活用。閉幕後に新たな高層ビルを建設する計画だ。
関西の音楽発信地
先駆けて、B1階にあった「タワーレコード梅田大阪マルビル店」が今年1月に閉店。たくさんの音楽ファンが惜しんだ。僕自身も時々、CD買いに行ったりしていたし、日曜お昼に「FM802」で放送されているカウントダウン番組ではランキング集計の基準としてここのCD売り上げが対象の1つだったのを聞いていた。それぐらいの大型店の閉店はなかなか衝撃だった。今でも阪急梅田近くにある「NU茶屋町」内に店舗あるが、「サブスク」が、台頭している影響の現れなのかもしれない。とはいえ、「大阪、関西の音楽シーン」を牽引した功績は大きいに違いない。
愛煙家憩いの場
この同じフロアの一角には、今でも『ジョージアカフェ』という喫煙ができる休憩スポットが残っている。ただ、無くなってしまうと愛煙家は路頭に迷うかもしれないという心配がある。非喫煙者が言うのもアレだが、法律で肩身が狭くなっているし、喫煙者の多い僕の周りでもだいぶ困ってるわけだし。どこかに移転とかと言っても法律の壁が高そうだ。
SDGsな快速急行で家路
阪急梅田の弁当屋でおにぎりを買って、腹ごしらえした後、家路に着くことにし、18時30分発の快速急行に乗る。ここでやってきたのはちょっと珍しい電車だった。
浴びるほど聞く『SDGs』がテーマのこの電車。阪急阪神と東急の共同プロジェクトの一環として阪急の「三大本線(京都、神戸、宝塚)」や阪神から近鉄への直通電車、東急線でもほぼ同じデザインの電車が運転されている。
車内は「SDGs」公式ロゴのステッカーを始め、「関西電力」「凸版印刷」などといった目標に賛同する企業の広告がジャック。つり革には目標がカラフルにぶら下がる。
ドア上のデジタルサイネージで走行中左側に流れるCMゾーンは企業広告と「SDGs」関連のみになっている。おまけに「再生可能エネルギー100%」というステッカーもある。加えて、ラッピングされた「1300系」と神戸、宝塚線向けの「双子」である「1000系」は阪急の在籍車両で一番省エネ性能が高いというのも説得力がある。
かねてから阪急では「エコ」をアピールする電車を走らせていたり、2010年代に開業した京都線摂津市駅が環境配慮の取り組みをするなどし、いわゆる「意識高い系」みたいな鉄道と言える。タッグを組んだ東急も世田谷線を皮切りに今年度からは東横線や田園都市線など全路線の電車でほぼ「再生可能エネルギー」のみで賄っているそうだから、今回ばかりは気合いが凄そう。とはいえ、旗振り役のメディアやお国が最近あんまり言わなくなったからどこか寂しげ。それでも、阪急の取り組みを僕は知ってるからブレんといて欲しいもんだし、「パンダくろしお」のSDGsバージョン共々活躍してほしい。ちなみに、電車の運行は「大阪・関西万博」に合わせて2025年までを予定しているとのこと。
満員の車内で聴く曲は「SDGs」とはほぼ無縁だが、ほぼフルスピードで聴くのが楽しかった。最初の『雨晴るる』はちょうど良く雨が止んで、淀川を渡る際に茜色の空がうっすら見えていた。
その後もラッシュ時ながらフルスロットルで京阪間を駆け抜けていて、ホロリと涙が出た。こういう時は、先を走る普通列車に阻まれて、減速することが多いもんだが、淡路や十三で乗り降りにそれなりに時間がかかったりすることが多かったり、先を走るのが快速ということもあって、全部ハイスピードで楽しかった。
おまけ写真
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