サーチライトの思い出
2022年11月5日、あいみょんの甲子園ライブ『サーチライト』に行ってきた。個人的には過去最大キャパで、野球を差し置いての超お初。「武道館ライブ」を超えるかもしれない熱狂となかなか経験することができないような貴重な感覚を味わってきた。
野球モードの阪神電車
バイトを終えて、甲子園へ直行。阪神大阪梅田駅から姫路行き直通特急に乗ろうとすると、階段そばは既に150%は超える混み具合。神戸方面先頭がちょい空きで座れたが発車直前になると同じぐらいに混み出した。阪神の急行系や直通する山陽電車、近鉄にはロングシートと新快速のような2列シートの2種類がいるが、後者の方がキツそうだ。
その上、甲子園駅では野球開催時に使われる臨時改札や降車専用臨時ホームが稼働。
ライブ終了直後にも大阪梅田行き「臨時特急」神戸三宮行き「臨時急行」などを甲子園始発で大増発するなど「野球モード」の特別対応。試合の雰囲気や観客数で帰りのピークを見極めて捌いているのをテレビで見たことがあって、職人技のよう。僕は迂回したので職人技は生では見られなかったが、輸送は特段混乱はなかったっぽい。
4万5000以上!?
それはいいとして、駅を出ると「なんじゃこりゃ!」と言わんばかりのびっくりする人混み。散々ライブに行った僕でもこの感じは経験がない。ツアー形式ではなく、1か所集中で北海道から沖縄まで津々浦々から「AIM(あいみょんファン)」が大集結するってわけだ。キャパシティが普段が約4万、アリーナが約5000、チケット買わなかった人含めるとキャパの3分の1程度はさらにいるかも。この数の8割ぐらいを輸送する阪神電車の底力恐るべし。野球で慣れっこなのだろう。
入場
21号門というゲートから入場。初めまして故に2階へ無駄に迂回する羽目にはなったが、なんとか席に着けた。あまりに広いからかギリギリまで迷子になってた人が多いわけだし。
『ざっくぅ』の下で。
今回の場所は「ライト外野席」の下から1段目。広告で言うと「ミズノ」「一番搾り」『ざっくぅ※』があしらわれた「J:COM」の真下あたり。「オーロラビジョン」の横っちょ。残念ながらアリーナではなかったが、実はけっこう良いとこ。それは後にわかる。
あのダミ声で開幕
夜の帳が下り出した17時過ぎに開演。オープニングムービーでは西宮在住であいみょんと親交の深い笑福亭鶴瓶さんがグラウンドからサプライズメッセージを届けた。びっくりする出オチだったが、優しく味のある聴き慣れたみんな知ってるダミ声での「開会宣言」は偉大さを物語っている。
あいみょん、見参!
ムービー直後、あいみょんがスポットライトを浴びて見参。手を振りながら、真ん中に建てられた「まあるい」ステージへ。『憧れてきたんだ』で幕を開けた。
カリスマはすごい
ギター1本の弾き語りではあるが、これで「武道館」も沸かせたというのだから。さらには聖地である地元の野球場をもこれ1本で乗り込んだ。今どきこういうスタイルでできるのはおそらくあいみょんしかいないだろう。それぐらい「令和のカリスマ」別の人で例えるなら「尾崎豊」のようなどデカい存在なのだろう。
甲子園に響く「おめでとー!!!」
途中には珍しく30分休憩が挟まれ、「ハーフタイムショー」のような感じなのもあった。前半は「AIM」参加型のクイズコーナー。このライブのマスコットで駅前にもあった「サチコちゃん」とあいみょんゆかりの「Kiss FM KOBE」から「サウンドクルー(DJの呼び方)」藤原岬さんが登場!岬さんは平日夕方の番組を長年担当されている看板サウンドクルーで「おめでとうのコーナー」は代名詞的存在。個人的にも帰省時に時折聴くことがあって、元気あるハイトーンボイスが印象に残る。カメラでズームされた「AIM」が答えて正解し、岬さんが「おめでとー!!!」と叫ぶのだが、あのコーナーで聴き慣れたあのセリフを甲子園の大反響とともに聴けるのはプチな「キスナー(リスナー)」としては嬉しい限りだ。
ユルいムービー
後半ではあいみょんが「やり残した」というミニドラマと西宮神社で「福男」が駆け抜けた参道を全力疾走してライブ成功を祈祷してもらい、さらには「3連続ストライクチャレンジ」のムービーが流れた。なかなかあいみょんらしいちょっと面白かった。
『サーチライト』でのきらめき
2部でも、『マトリョーシカ』『生きていたんだよな』などを演奏。さらにはライブのための新曲『サーチライト』も披露。「スマホのライトでもええよ」という鶴の一声でアルプススタンドの明かりが倍増してより美しい光景が広がった。僕もスマホとペンライトの二刀流で振った。ペンライトを買わなかった人もいたし、1回限りだが、あるとないとでは全然違う。
歴史的瞬間
寒空の下でのライブだったし、結局誰とも会えないまま帰ってしまったが、東京や首都圏でばかりでやるようなことを家から電車で1時間の距離で見られるというのは今後あまりないこと。兵庫県西宮を愛してやまないあいみょんだからこそできたことでそんな歴史的な一瞬に立ち会えたのは名誉あることだ。最後にリリーフカーで1周したときには場所柄、ほぼ近い距離で捉えられて、「目合った?!」という瞬間もあってこれはツイていた。
好きな人に影響されて5年
大好きな人の聴いてる曲ってところから『君はロックを聴かない』を聴き出して、まさかこんな大きな場所で大きなライブ来れるなんて思いもよらないこと。影響されたとはいえ「良い耳してんねんなぁ」と彼女のフィーリングの良さを感じた。そんな彼女とは結局会うことはなかったものの、連れてきてもらったようなものでその点もありがたいもんだ。
何事もなく、そして
誰かに罵声を上げて退場するならず者1名が気になりはしたが、それ以外はほぼ何事もなく、会場や周囲、阪神電車、バスにおける雑踏の安全も守られた。終電を気にする「弾丸帰り」が多かったが、僕は最後の最後まで見て分散規制退場を守って、トリッキーなルートで迂回したことで遅くはなったが安心して帰れた。何から何までスタッフチームやあいみょんなどには最大級の敬意と感謝を表したい。「また、帰って来ぃやぁ」と言いたくなるぐらいこんな光景を見られたらな。
帰り道の音楽
帰り道の音楽は余韻っちゃ余韻だが、速達列車はあいみょんよりも「ずとまよ」などが聴きたい気分。普通列車かカーブの多い京阪や阪神が合わせやすい。