鉄道好きに親しまれたナレーター「津田英治さん」
ナレーターの津田英治さんが亡くなった。この訃報を聞いてピンと来た人はほぼ100%鉄道好きと言ってもいい。
津田さんは数多くの鉄道の自動放送に声を吹き込んできた。
JR東日本(首都圏主要在来線各駅)
JR西日本(大阪環状線、大和路線、おおさか東線など)
JR東海(中央線)
近鉄電車
「東名阪」を中心に、かなり広範囲で聴くことができた。鉄道好きなら津田さん知らずしてそうは名乗れない。
晩年は活動を縮小していた津田さん。JR東日本では後進のナレーター田中一永さんに譲って引退。身を引いた理由として「加齢による声の変化」を新聞記事で語っている。
JR西日本では引き続き活動し、大阪環状線、大和路線向けに新たな音声パーツを吹き込んでいた。この仕事だけは最期まで後任に譲ることはなかった。
2020年デビュー観光列車「WEST EXPRESS銀河」
2023年開始の指定席サービス「快速うれしート」
2023年3月開業「大阪駅“うめきたホーム”」への案内。(環状線ホームのみ)
これらの声を聴いてみると他のパーツより声が掠れている印象がある。この声を聴くと活動縮小した理由がうなづける。
鉄道好きの僕自身も津田さんの声にお世話になってきた。住んでる最寄り「近鉄京都線」では2022年ごろまで京都駅、丹波橋駅で使用されていた。
新田辺行き各駅停車でございます
電車の番号は、前のクルマから1号車2号車でございます。
一昔前の表現「〜でございます」や業界用語に近い「クルマ(車両)」という表現、喋り方がレトロな雰囲気を醸し出していた。2025年現在でも竹田駅などポツポツと現役で使われている。
僕自身、ナレーターや声の仕事を志している身だし、津田さんのように鉄道に関わる声の仕事もしてみたいと願ってやまない。中音の響く声でホーム上のザワザワした雰囲気にも消えない。こういう声が売れるものだと思うし、僕の目指す選択肢として、なくはない。
ナレーション以外でお耳にかかれなかった津田さんはキャラクターが謎だった。僕の「オモロー」なキャラとは方向性は違うかもしれないが、声色や発声など目指すべきナレーター像として学ぶべきことは多い。
僕を含めて、数多くの鉄道ファンに親しまれた津田さんの自動放送。訃報の知らせは瞬く間に鉄道ファンに拡散され、「津田さん」がXトレンド入りもしたほど。裏方ではあるものの、たくさんの鉄道会社にオファーされ、ナレーターとしても数多くの実績を残されてきた。それだけ実力がある人だったということだろう。
津田さん今までありがとうございました。
合掌。