京都の鉄道カフェ
観光列車「はなあかり」のお披露目展示を見に京都鉄道博物館へ行ってきた。このついでに前々から行きたかったカフェに行ってきた。
京都鉄道博物館から西へ徒歩3分。
「鉄道カフェたあた」
ファンなら絶対食いつく紺色とクリーム色の外装「横須賀色」に西日本では見慣れた「普通」というかっこいい字体。ミスマッチなミックスにのっけからバイブスが上がってくる。
店内に入る。普通のカフェなら「チャリンチャリン」と鳴るところ、JR京都駅や大阪駅などで聴ける「次列車予告放送のチャイム」が流れてくる。
鉄道に囲まれた店内にびっくりしていると
「いらっしゃいませ」と丸顔の店主が出迎える。店の雰囲気からか「駅長」と呼ばれるそう。
メニューはコーヒーやジュースなどのドリンク、アルコール、フードは新幹線車内販売でお馴染み「スゴイカタイアイス」のみ。店はこだわるが、メニューはわりと最低限だ。アイスコーヒーを注文する。
2階に上がるとびっくり。御堂筋線で廃車になった扉を素材にした「テーブル」が目の前に現れる。フィルムでコーティングされているが、見るからに本物。(あ、裏も見りゃよかった😛)
3歳まで御堂筋線ユーザーだった僕、鉄道にハマったきっかけになった電車がこんな形になるとは夢にも思わなかった。これはまだ序ノ口だけども、ビッグサプライズだ。
新幹線の座席、京阪電車の部品、ヘッドマーク、車両番号プレートetc
この時点でもう幸せすぎる。
3階には0系新幹線の先頭部「団子鼻」や普通車席、東日本の部品類が並ぶ。
散策もいいがコーヒーで一服。フードがなくとも、ワンドリンクだけでも十分楽しめる。ライブハウス好きにはこういうラインナップでも慣れたもの。酒飲みにとっては「肴=鉄道部品」だ。
コーヒーを飲み終わってまだ散策。すると「駅長」から声をかけられた。
これ触れますよ
かつて北陸線で活躍した旧型電車のブレーキを自由にいじれるようになっていた。空気の抜ける音は本物みたい。動かす感覚も重くてリアリティーがある。下を見るとエアーもあった。
「モノタロウ」でも相性はいいみたい。
この運転台をつけた電車「455系/475系」は僕のふるさとを駆け抜けた。それが自分の腕で動かすことができる日がくるなんて思いもしなかった。この他にもいろいろ触れるものがある。
JR東日本在来線の駅で車掌さんが発車メロディを鳴らすスイッチだ。「ON」でメロディがエンドレスで流れ、「OFF」でメロディが止まると同時に
「◯番線、ドアが閉まります。ご注意ください」
と流れる。
この店では、関西にちなんだアレンジがされている。「ON」を押すとJR天満駅の発車メロディ「花火(aikoの楽曲)」が流れ、「OFF」を押すと「ドアが閉まります」が大阪環状線verで流れる。
環状線でもスイッチで流す発車メロディはあるが形状や流し方が東日本とは異なる。
「非常ボタン」も流すことができる。流した後に、下のスイッチを押すことで音を止める「復帰操作」をすることができる。本来は押したら即列車が止まってしまうし、復帰操作も限られた人のみ、かつ指令や駅長などの指示がないとできない。文句言われず、押し放題というのはお店ならでは。
逆に言えば、これで鳴らすことで
「これが鳴ったらSOSの合図やで」
と教育資料にもなる(かも?)
京阪電車の行き先表示幕もリクエストすれば変えてもらえる。僕は思い付きで
「深夜急行あります?」
と言うと
「深夜急行樟葉行き」が出現。淀屋橋発樟葉行き最終の「深夜急行」は通常の「急行」が停車する守口市と枚方公園を通過する。全国で1社のみ、終電にしか存在しないレア種別としてファンには有名だった。しかし、2021年のダイヤ改正で休止。見られなくなった。
上のサインがふと気になった。サインの主は落語家の「桂しん吉」さん。落語界きっての鉄道好きとして知られ、鉄道や旅をテーマにした創作落語を披露している。
YouTubeを見ると、奈良テレビのロケでしん吉さんが訪れていた。数多くの看板類を見たり、ブレーキを触って興奮してるしん吉さんは僕と一緒だった。「駅長」の過去にも触れられていて、前職は鉄道マン。東武東上線で駅員や車掌を歴任していた。
これだけでもファンにとっては十分楽しいこのお店。ただ、まだまだ未完成で今後もアイテムが続々お目見えすることが予告されている。僕が店に訪問した後もファン興奮間違いなしの逸品が仲間入りした。
「パタパタ」こと「反転フラップ式案内装置」がお目見えした。能勢電鉄「山下駅(兵庫県川西市)」で使われていたもので、多彩な行き先が出てくる。
次に来るときには違う鉄道アイテムが登場してるかもしれない。好きにとっては何度でも来てみたい。