大阪メトロLOVER
ご機嫌いかがでしょうか。Yukiです。
大阪市内を縦横無尽に走る「大阪メトロ」。東京に次ぐ規模を誇り、関西の5大私鉄にも匹敵するほどです。母方の祖母に会いに行ったときいつも乗っている、JR西日本、北大阪急行、阪急に並ぶ僕の馴染みの鉄道の1つです。
そんな大阪メトロの思い出を綴ります。
大阪メトロとは?
元々は「大阪市交通局」が運営していた公営鉄道であったが、行政改革の一環として2017年3月28日の大阪市議会で「民営化法案」が賛成多数で可決され、2018年4月1日から地下鉄など9路線が「大阪メトロ」として、市バスが「大阪シティバス」として各々民営化された。
2020年現在、路線は御堂筋線、谷町線、四つ橋線、中央線、千日前線、堺筋線、長堀鶴見緑地線、今里筋線の8の地下鉄路線と「ニュートラム(※1)」の1路線の鉄道と「いまざとライナー(※2)」というバス路線を運営している。
長堀鶴見緑地線と今里筋線は「鉄輪式リニアモーター(※3)」を、堺筋線は「架線集電式(パンタグラフで電気を取り込む)」を、その他5路線は「第三軌条(意味は「地下鉄の音」参照)」を採用している。
また、御堂筋線は北大阪急行に、中央線は近鉄けいはんな線に、堺筋線は阪急電車に乗り入れを行う。
※1…小型車体、ゴムタイヤで走る「新交通システム」。東京の「ゆりかもめ」、神戸の「ポートライナー」などが有名。
※2…今里筋線延伸の是非を問う参考材料として社会実験しているBRT(バス高速輸送システム)。期間限定のため、バス専用レーンは無いものの、バス停の間隔を地下鉄と同様にしている。バス路線だが、上記の経緯で「大阪メトロ」が運営している。
※3…リニアモーターの原理で鉄車輪の電車を動かす方式。モーターが小さい分、車体、断面を小さくすることができ、建設費を安くできるメリットがある。都営地下鉄大江戸線や仙台市地下鉄東西線など、日本各地で採用されている。
大阪メトロの匂い
大阪メトロに乗るとき、車内の匂いがいいなぁと思うことがある。特別いい匂いというわけではなく、幼少期に乗ったときのことを思い出すというだけだ。
はっきり言って、どういう匂いかというのは言葉では説明はできないし、こう言っているのは全世界、いや全宇宙でも僕1人だけがそう思っているだけに過ぎない。
それでも、ライブに行くとき、面接の道中などで大阪メトロの車内に入ると、いつも幼少期、とりわけ3歳ごろに梅田に買い物に出掛けていた道中、座席に立て膝ついて景色を見ていたときのことが蘇ってくる。それだけ思い出の匂いということなのだろうか。
なんでやろう。。
唸るモーター
「音鉄」でモーター音に興奮する僕。そのうち、大阪メトロの新20系や堺筋線の66系のモーター音は昔から聴いていたということもあってか、大好きだ。
この2つは1990年代前半に製造され、省エネルギー、メンテナンスフリーのVVVFというモーターを採用している。加速するときの唸るモーターは最高に心地よく、興奮するモーター音だ。
しかし、最近はリニューアル工事によってモーターの取り替えが進み、かなり数を減らしている。寂しいもんだが、この工事で御堂筋線ではCMも流れる大型モニターがドア上に付き、遭遇すると目が釘付けになってしまう。加えて、沿線をイメージした模様が壁にデザインされているのもまた、面白い。今後、乗るときは目で楽しむことが多くなりそうだ。
戦隊みたいなニュートラム
「ニュートラム」は中央線のコスモスクエアから四つ橋線の住之江公園を結び、大阪のベイエリア「南港」を走る「新交通システム」だ。
小型車体の4両編成で「ゆりかもめ」と同じく原則自動運転を実施、先頭車両1番前の座席は人気でなかなか座れるものではない。
沿線にはインテックス大阪やATC(アジア太平洋トレードセンター)、ボートレース住之江、大阪府咲洲庁舎(通称コスモタワー)、「ポートタウン」というニュータウンなど、地域輸送からイベント輸送まで幅広く活躍する。
そんな、「ニュートラム」には交通局時代の2016年から新型の200系が導入された。先頭車は「遊び回る子ども」をモチーフにしていて可愛らしくなっている。
また、編成ごとに色が違っていて、中にはデザイン学校の生徒さんが手掛けたラッピング車両やパンダ、虎、レッサーパンダといった動物柄の車両、さらに大阪メトロ発足記念のゴールドの車両などバラエティが豊かで、さながら戦隊ヒーローのようだ。
僕は先代の車両も昔からビデオ、図鑑で見てきて馴染みはあったが、新型車の可愛らしい顔つきにはキュンキュンして胸がときめいてしまう。
また、編成ごとに色が違うのも、動画撮る上では撮れ高が稼げるというのも気に入っている。
見知らぬおっさんに…
ここでちょっとしたエピソードをご紹介しよう。
周遊きっぷで乗り倒してる途中、蒲生四丁目駅の今里筋線ホームのベンチで電車を待っているときのこと。
灰色のジャンパーにキャップを被り、中川家礼二さんのモノマネのような喋りの「ザ・大阪のおっさん」がこちらに近づく。
僕の隣にも男性が座っていて、「おっさん」はまずこの人に大声でこう言った。
「関目行くにはどこ乗ったらええねん」
これで怖くなったのか、男性は首を振り全力で拒否した。
ということで僕が案内することに。
とりあえず、「井高野行きに乗って、関目成育で降りてください」という旨を看板を使いつつ案内した。
「おっさん」は「ホンマか!」と念を押したものの、自信たっぷりで僕は答えて、なんとかその場を乗り切った。
さっきの男性もそうだが、見知らぬ人から「〇〇駅ってどっち?」「この電車〇〇止まる?」ということをわざわざ一般客に聞かれることは多く、困る人けっこう多いそうだ。「プロ(駅員)に聞けよ!」とツッコミたくなるし、戸惑うこともあるだろう。
詳しくも無い方はなるべく関わらず、「分かりません」など断ったほうがいいでしょう。乗り慣れたとこ以外は。
谷町線30系にハマった幼稚園時代
30系は高度成長期にデビューし、万博輸送の御堂筋線を支え、その他4路線でも主力として活躍するなど、かつて大阪市営地下鉄の顔として君臨していた。しかし、1990年代になると、老朽化や冷房改造に多額のコストがかかる背景もあって新型車両の投入され、廃車が進行。比較的新しめの谷町線向けの以外は全て廃車された。その後も活躍を続けたが、新型車両に置き換えられて、2013年にラストランが実施、走り去った。
そんな30系にハマったのは幼い頃にビデオで見たときのこと、地下のライトで煌くステンレスの反射がカッコよく、僕の目は輝いていた。このことからか、「谷町線の運転士になりたい」と言いまくっていた。(余談だが、滋賀の地で谷町線というワードはしっくり来ていたのか…分からん)
さらに僕が幼稚園でペン立てを作って、そこに描いた電車の絵にもステンレスの凹凸を意識した3本線が描かれていて、今思えば、相当ハマっていたことが窺える。
ビデオや大阪に住んでいた影響で、僕は昔から「メトロLOVER」だったんだなぁと改めて思う。
いかがでしたでしょうか。
民営化を巡っては市長選の争点になるなどゴタゴタの要因になってはいますが、交通局時代から愛していて、住んでいたときはお世話になっていたし、今でも、乗ったときの匂いでノスタルジーを感じたりしています。
大阪メトロになって駅が変わりつつありますが、個人的には「やっちゃってほしい」というのが正直なところです。大阪メトロに変わったことですし、それに相応しいように、そして、時代に合ったものに生まれ変わってほしいなぁと。
進化してほしいけど、変わらないとこもあってほしい。そんな大阪メトロになってほしいと僕は思います。
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。