Yukiと柊
映画を見ていると主人公「柊」という少年があまりにも僕に似ている。周りを気にしたり、断れなかったり、親の圧に屈したり。まさしく僕もそんなことの連続だった。
周りを気にし始めた小学生
周りを気にし始めたのはたぶん小学校低学年ぐらい。物心ついたときからそれまでは真逆でやんちゃ坊主で誰にも言わずに外に出ることもざらにあった。周りのことを考えないコミュ力不足が仇となってそういう人間になってしまったのだと個人的には思ってる。
友だち?
友だち付き合いがうまくいかず、ようやく友だちみたいに付き合う人が出てきた。しかし、かんしゃく持ちで振り回されてばっかり、一緒に怒られてもいい気がしないし、何より「絶交だ!」と言われることがショックだった。気を遣い続け、互いに自分の気持ちを押し殺し続けた結果、僕は誰にも言わず彼を絶交させる他なかった。頼れなかった。「友だちって?」「親友って?」「ズッ友って?」なんて気づいたが、それが今でもわかってない。
頼れない
頼れなかったのはそれだけじゃない。何でもかんでも自分でやろうとしたり、親の干渉から逃げたいがための選択ばかりしてきた。でも結果はと言えば頼れないことで行き詰まることは多かった。やればできたこともあったが、親に相談しないと厳しい理詰めで攻めてくる。それが大嫌いで逃げてきたし、とある議員の如く
「あんたにはわからんでしょうね!!!!」
って言ってしまいそうになるぐらい心は疲弊していた。しかし、そんなことは誰も知らない。言っても理解されないだろうと思い込んで隠し続けてる。
ギターが上達しなかった。
好きだと思って始めたギターも上達しなかった。うまい人に憧れたり、ヨルシカにハマってやりたくなったりしても、結局「自分なんて」という言葉やなんとも言えない強迫観念みたいなやつで触って10秒で飽きたり、セッションが怖かったり、覚えられなかったことにつまづいたりもした。結局好きなバンドを好きでいることしか脳が働かなくなっている。
好きで傷つけた
好きと思って伝えようとして失敗したことは一生分の傷と後悔を背負っている。言葉足らずだし、何も考えてなかった。その上、怖がらせたという後味が悪かった。一旦、それが消えたかと思いきや突然音信不通にされてしまった。それを気にして5年も経つが、時間は何も解決してくれない。
好きという一心が相手を傷つけてしまう
何十億分の1に断られただけだ
他にもいい人いる
自分の本気で傷つく人がいる。
なんて心の中で諦める理由を作ろうにも心の奥底はまだ許してくれない。形に現れてないだけのストーカーみたいなものだろうか。
鬼になる?
物心ついてからの20年はまさに「柊」のように他人のことばかり見ては振り回されてきた。実際そういう違和感みたいなのは自分でしか気づいていない。もっと言えば、誰一人として気がついてなんてくれやしない。そうやって捻くれた結果だと思う。
映画で「小鬼(言えない感情や嘘)が出る人はいずれ鬼になる。」なんてセリフがあったが、今の僕は鬼に近づいてる気がしなくもない。言えないことなど他の人の100倍は溜めてるだろうし、ここ以外捌け口はない。インスタでそういうこと言っても、ほぼ無反応。あいつには関わらないでおこうというスタンスなのかもしれない、というのは考え過ぎ。僕が何も言わないだけかも。
しかし、映画を見てると僕と瓜二つみたいな「柊」は変化していっている。僕がやりたがってる「おてつたび」でやるようなことをやっていて、ツムギという正反対の少女にも出会って関係性を築いてる。絶望しているわけではないし、たかが26歳と言われるだろう。それだけの可能性はおぼろげに信じている節はある。