海の見える南海2支線
りんくうタウンをぶらりして、今度は和歌山方面へ。和歌山市駅へやってくると気になる列車を発見。
黒くて、めでたい「海賊船」
加太線の観光列車「めでたいでんしゃ」。4種類いて、こちらは黒を纏った「かしら」。
他に3種類いて「さち」「かい」「なな」で父、母、子という設定がある。そして「かしら」は「『さち』の兄」(「なな」から見ると伯父)という設定。
アニメか映画の海賊船
車内は海賊船をテーマにしたビジュアル。床や扉が古めの木目であしらわれている他、海賊たちが宴を開いていたり、シャーク、大砲などの絵が扉に描かれている。
床には金貨や宝石などの財宝も。アニメか映画の世界に迷い込んだよう。
扉の上には「かしら」の日記もある。プロフィールにある「長い冒険の旅から帰った」ということにちなんで。とんだ冒険をしてきてんなぁ。
和歌山のロックスター
また、車内の一角には「L'Arc〜en〜Ciel」のボーカル「HYDE」さんの直筆サインもある。
加太線も走る和歌山市出身で過去には特急「サザン」でコラボするなどした。ご当地のロックスターのコラボはアツい。
和歌山市駅から紀ノ川へ
「かしら」は和歌山市駅を出発し、紀ノ川を渡る。
人気者の証
ちなみに「南海アプリ」の「列車走行位置」では「めでたいでんしゃ」は実車のロゴで表示されている。この他、「ラピート(泉北ライナーを除く)」「サザンプレミアム」も同様。人気者の証だ。
音楽をテーマにしているなら…
この列車では「音楽」もテーマにもなっていて、吊り革の形が音符になっていたり、優先座席の柄がピアノになっている。と来れば…
聴かないわけにはいかんでしょ!とはいえ「ラルク」はセレクトせず、自分の好きなのをチョイス。夏空の下で「ヨルシカ」がサイコーなんやなぁ。とはいえ、真の「ラルクファン」はこういうとき何を選ぶのか…🧐
一般車両
この日は「一般車両」も走っていた。ワンマン列車が主だが、場合によっては本線系統の普通や急行、特急「サザン」の「自由席」にも使用される。
磯ノ浦で下車
終点の1個手前「磯ノ浦駅」で下車。
駅から5分ぐらいで海水浴場が見える。今日の快晴を存分に楽しもうとファミリー、カップル、サーファーなどが楽しんでた。僕は泳がず、夏と海の香りだけを楽しんだ。
栄枯盛衰の港へ。
和歌山市駅へ戻って、ご飯を食べて、「快活クラブ」で一眠り。
そこから「普通車(普通列車)」に乗って「みさき公園駅」へ。
南海系の遊園地「みさき公園」の最寄りとして栄えてきたものの、2020年で閉園。名前は変わらず、所在地である大阪府岬町によって「公園」として再整備されている。
この駅から乗っていくのは「多奈川線」。
高野山から港町へ
2200系。かつては高野山の急峻な山道を駆け抜けた強者だったのも今は昔。細々と「大阪最南端の町」と「都会のローカル線」こと「汐見橋線」で活躍する。
港のある沿線と淡路島を結んだ過去
沿線は「深日」という港町。かつては淡路島行きの定期航路もあった。「なんば」から深日港へ直通する急行列車「淡路号」もあったほどで、船と接続するダイヤだった。しかし、明石海峡大橋の開通や大阪や神戸の港が改築されたことで需要が減り、2000年代に休止された。
短い旅
そんな栄枯盛衰の路線は2.6㎞とかなり短い。
『創作』と『風を食む』が終わらないうちに終点の多奈川に着いた。
ターミナルの面影
港のメインからは離れているが、ホームは広く、線路2つ分は用意されている。しかし、今は片っぽだけ。
1つ戻って
そこから折り返して「深日港駅」でも降りてみた。
港の他、「岬町役場」もある町の中心にもなっている。
港へ歩く
駅から5分も歩けば、すぐに港。
復活したフェリー
定期航路が無くなった後、2017年から自治体主導の社会実験として、深日港と淡路島の洲本港を結ぶフェリーを復活させている。
岬町、兵庫県洲本市の活性化や災害時の迂回路整備などを目的に社会実験として開始。土日祝限定ながらコロナ前は年間約1万人、去年1年間は約5000人が利用されたとのこと。
帰り道の列車では船の到着に近くて、10数人ぐらいが乗車。衰退したとはいえ、鉄道と船が近いというのは便利そう。やってみるもんだ。
夕焼けと多奈川線と音楽
その帰りの列車。夕焼けが美しく映える。
そんな中で『チノカテ』をセレクト。
ライブで見た映像も海の見える街だったから非常に合う。
加太線は2度目、多奈川線は初めて。いずれも海が近くて良いロケーション。加太線は「めでたいでんしゃ」で活気があるが、多奈川線のある岬町も「あの頃」を復活させるフェリーで町おこししていて、負けていない。