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ずとまよ「スナネコ建設の磨き仕上げ」を3回見てきた。(セトリ編)

「ずっと真夜中でいいのに。(ずとまよ)」のツアー『やきやきヤンキーツアー2〜スナネコ建設の磨き仕上げ〜』を見に行ってきた。

2020年に開催した「やきやきヤンキーツアー(炙りと燻製編)」の続編という世界観で、このときのヤンキーが建設業に就職して定職に就いたという設定がある。「炙りと燻製編」は東京・横浜・大阪の3都市やるはずだったが、コロナ感染拡大の煽りで東京のみでしかできなかった。

4年前のリベンジマッチと言える第2弾に大阪・奈良・京都の3ヶ所で3回参戦してきた。セトリと会場の雰囲気で分けて感想ネタバレをしていく。

JKボンバー

やきやきヤンキーのスタートはJKボンバー。サビ前で一瞬音楽が止んで、ACAねさんが
「ずっと真夜中でいいのに。です。」
と言ってからの「3,2,1 Bomb」での盛り上がりの加速がすごい。

こんなこと騒動→ヒューマノイド→はゔぁ

こんなこと騒動→ヒューマノイド→はゔぁの3連打。2〜3分ぐらいの短縮版ながらも心地いいぐらいにテンポがいい。

馴れ合いサーブ

馴れ合いサーブは画面に振り付けが登場。舞台下手のモニターには工事現場の縦映像の手信号が出てくる。しゃもじを∞のような形でサビ前半まで、そこからサビ後半、グルグル左回りで回す。世界観らしい振り付けはめちゃくちゃ楽しい。

残機

ベーススラップが聴こえてくると『残機』の合図。このベーススラップだけでファン全員分かるやつ。

秒針を噛む

落ちサビに入るところでは、しゃもじクラップからの大合唱。

このまま奪って隠して忘れたい

をホール全員で大合唱するのはかなり新鮮。個人的には初めて合唱するから「これやりたかってん!」という気持ちだった。

ばかじゃないの

しっとり切なげだが、ギターの音色とスピードが心地いい。

扇風機の真ん中には踏切の映像が映っていた。4つの警報灯が付いていて、
「阪急千里線で見たことある形やん。」
とオタク心が反応した。
ちなみにこの曲は阪急の特急や準特急で頻繁に聴いている。

クズリ念

MCで「1人で没頭する時間」の大切さを伝え、歌のタイトルになった「クズリ」というイタチ科の動物に例えた。群れを成さずに生きる姿と1人を大切にするACAねさんの気持ちを表す1曲に感じる。

3択ミュージック

ずとまよのライブでは1曲が、セレクト方式になっている。過去のライブはオーディエンスのしゃもじ拍子の音量で選んでいたが、このライブでは少し違う。

青黄赤の3つのカンカンがテーブル上に置かれ、屋台の射撃の要領で撃って倒れたカンカンと同じ色のくす玉が割れて曲名が発表される。3つの中身は毎回変わる

苦璃華衛酢襲格(繰り返す収穫)

ちなみに僕が行った大阪(2日目)、奈良、京都(2日目)は全て『苦璃華衛酢襲格(繰り返す収穫)』となった。いずれもACAねさんが考えた寸劇とアレンジをその場で即興でやって披露する。無茶振りも多く、京都2日目では「オープンリールオーケストラ」の1人が
もーわけわかんねぇよ笑
と愚痴をこぼすほど。その場で想像してACAねさんのリクエストに応えていくが、全編アドリブでも楽器隊はいい音色をセレクトし、寸劇は笑神様降臨。笑いと繊細な音楽センスで成せるずとまよのお家芸と言える。

ちなみに他の2曲はこちら。どうせならこちらを当てて欲しかったところだったが、これもまた一興だ。

海馬成長痛

おもしろドキドキな時間を終えると次は『海馬成長痛』。左側のモニターにはMVの映像が映し出され、自由にリズムに乗っている。ちなみにこのツアー中、MVに登場する黒スーツの男の格好をして参戦してる人をよく見た。
こういうのやってみたいなぁ。

彷徨い酔い温度

温度、もとい音頭チックな曲。原曲は盆踊りや江州音頭(滋賀の盆踊り)のようなゆっくり速度だが、ライブではサビの時に突然速度が急上昇。最後のサビは高速低速の乱高下が交互にきて、突然終わるという奇天烈なリズムを見せた。

お勉強しといてよ

バイクの暴走族がよく奏でる「ピロピロ」した音から聴いたことあるメロディに変化して『お勉強しといてよ』。こちらも合唱が付いてる。

乾かないよ
焼き焼きだ/ヤンキーヤンキーだ

を大合唱する場面では左のモニターに「うたう」の表示された看板と直後に歌詞が出現する。これも5類移行でできるようになったこと。これを言うのも楽しみだった。

TAIDADA

アニメ『ダンダダン』第1期エンディング曲だった『TAIDADA』。サビの部分で声が急激に乱高下するところでは拳を突き上げて、ジャンプする。
最初は拳だけ突き上げたが、京都2日目ではジャンプまでしてて驚いた。新曲でいつの間にかノリが変化するのも3回見ないとわからない。

うにぐりくん
「東京リベンジャーズ」チックな装い。

京都ではこのパートからバンドマスコット「うにぐりくん」が登場。トラックのようにオーライオーライされて入場する。

あいつら全員同窓会

この曲の最初のところに
当たり障りのない儀式みたいなお世話になってます
でお辞儀するところは京都のツアーファイナルだけ変化。「お世話になりました」と戯けたポーズの後、チームずとまよと「うにぐりくん」全員がお辞儀。軽く20〜30秒はお辞儀してたために、「うにぐりくん」が「え?まだすんの?!!」と言わんばかりに慌ててた。

勘冴えて悔しいわ

激しくしゃもじを振り回す曲で、最後のところは左のモニターに映る「歩行者専用」のような振り回し指示が高速でグルグル回る。
途中にはアメリカンロックをモチーフにしたアレンジも挿入されている。

ミラーチューン

最後の1曲は『ミラーチューン』。頭上のミラーボールが回り出す他、ここでは扇風琴も登場。ギターのような電子の歪みを思う存分響かせる。ずとまよオリジナルのこの楽器は伝家の宝刀と言える。

ラストのサビは直前に「レベルアップ!」というワードでキーが上がる。このツアーでは2度もレベルアップして、原曲よりも高いキーで歌唱。ハイレベルの歌唱力を見せつけるACAねさんらしい演出だと思う。

アンコールのしゃもじ拍子

一旦全員はけた後、アンコール。しゃもじでアンコールするので手が痛くなるリスクが低く、高速拍子でアンコールしても余裕だ。

虚仮にしてくれ

アンコール1曲目は『虚仮にしてくれ』。爽やかなメロディとともに昼間の草原を彷彿とさせる歌詞。真夜中のイメージが強いずとまよでは珍しい昼間と新緑が似合いそうな雰囲気がある。

嘘じゃない

映画の曲にもなった『嘘じゃない』。ここでメンバー紹介が行われ、フレーズを披露。「オープンリール」の2人だけは演奏の代わりにショートコントを披露していた。

僕はこの曲と映画のおかげで2024年に初めて東北地方へ聖地巡礼行くことができた。ずとまよが歌ってなかったらこんなことしなかっただろう。好きから生まれた行動力と言える。

正義

リコーダーの音とともに始まる『正義』。
近づいて遠のいて探り合ってみたんだ
近づいて遠のいて笑い合ってみたんだ

の大合唱と振りもやってみたかったやつだ。この曲の京都の2日目ではどこかで聴いたことがあるアレンジが冒頭で流れた。

川嶋あいさんの『旅立ちの日に』のサビがリコーダーで流れてきた。
なんで「旅立ちの日に」流れてんねん笑
しかもまだ1月やぞ笑
ツアーファイナルというピリオドにちなんだギャグとは思うし、これもまた貴重な光景だった。ちなみに大阪2日目ではこの部分で『青春アミーゴ』をやっていた。

勘ぐれい(ヤンキーver)

ラストは「やきやきヤンキーのテーマ曲」という触れ込みで『勘ぐれい(ヤンキーver)』を披露。曲が終わる手前で桜吹雪が舞い降りて口上でフィニッシュした。

振り返り

大阪、奈良、京都で見てきたずとまよ。今回は暴走族や建設業をテーマにしていて、今まで見た中で爽快なぐらい荒ぶっていた。

関西の爆走王「新快速」
音楽で爆走するずとまよを130㎞/hで走行するこの列車と重ねた。

爆走というキーワードもライブでちらほら出てきてた。鉄オタから言わせてみれば、「新快速」に例えるのが1番だと思う。関西の鉄道における「爆走王」と音楽で爆走する「ずとまよ」を僕は重ねたくなる。

そんな余談はいいとして、物語の世界観とともにその中で「やれんの?」などと煽ったり、「みんないっしょに!」と声を上げる姿はライブとしてはちょうどいい感じ。

ACAねさんが荒っぽい棟梁になっててもウィスパーな地声とチームで仲良くライブを作り上げる様子も見ていて楽しい。

これだけ感想が出てくる「ずとまよ」のライブ。物語の世界観があるライブというのは何度も行って比較して見てみる価値があると思う。この辺りはヨルシカも同様だ。

ヨルシカが物語に全振りする一方でずとまよは「みんなで楽しみ遊ぶ」というところが異なる。似て非なるが、この2つのバンドは「なんぼ見てもいい」と思えるところは似ている。

次のずとまよはこのツアーの「アリーナ版」が決定。関西では「大阪城ホール」にやってくることになる。関東以外ではまず見られなかったアリーナツアーは期待しかない。それとずとまよ好きの大学の先輩に会えるかもしれないのもワクワクだ。

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Yuki(ゆうき)
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