夕方、あの駅、あの曲。
横浜から、川越、さらに大宮までやってきた。
ここからは東武野田線、別名「アーバンパークライン」で春日部を目指す。
アーバンパークラインの古株
やってきたのは「8000系」。1963年から20年に渡って約700両製造された「ロングセラー」のような通勤電車。ピークからは数を減らしているし、支線を中心に改造による派生車両含めて現役が多くいる。
くすんだ壁に緑の座席はどこかで見たことある雰囲気で古さが際立つ。さらにモーターのうねりもオールディーで心地いい。新型が増えて路線が長ったらしいカタカナにはなったが、バリバリ現役ってのも凄い。
「しんのすけ」の故郷へ
野田線で春日部までやってきた。「クレヨンしんちゃん」の街だけあって駅メロがテーマソングだったり、キャラクターの装飾がある。
また、埼玉県が「しんのすけ」の母「みさえ」の故郷熊本県、父「ひろし」の故郷秋田県と共に「家族都市」を締結したことを記念するヘッドマークを取り付けた電車もいる。
急行で南下
ただ、ぶらりはせずにここから「スカイツリーライン」こと「伊勢崎線」の急行で南下する。
東急車に乗って
やってきたのは「東急5000系」。かつて渋谷スクランブル交差点前にあった「青ガエル」と呼ばれる電車と同じ形式を名乗る2代目で田園都市線と東横線、各々の相互直通で活躍する。JRの車両をベースにしたコスパの良い電車で側面はよく似ている。この良さがウケたのか、首都圏の大手私鉄では車体の雰囲気が似ている電車が大量にいる。一時期は「6扉車」を連結していたことがあったが「ホームドア」に合わず、全て4扉となり、「6扉」は廃車された。
この他「急行」と「準急」には「東武」や「東京メトロ半蔵門線」の10両の車両が使われ、埼玉北東部から半蔵門線を抜けて渋谷から田園都市線中央林間駅を結んでいる。
「スカイツリーライン」と言えばこの曲!
そんな、この路線に乗る1番の目的はあの音楽を聴くため。
「クレヨンしんちゃん」の映画版主題歌になった『ハルノヒ』は
と歌われていて、歌詞に出てくる北千住とタイアップした作品の舞台である春日部はいずれも「スカイツリーライン」で繋がる沿線である。
曲の雰囲気からあえて夕暮れ空の時間に合わせて、電車に乗ってみた。試しに北千住駅から曳舟まで曲と同じ所要時間で聴いてみる。急カーブで比較的ゆっくりではあるが、やっぱり北千住を出たここで聴くのが一番や!と思うぐらいによく合う。少なくとも全「AIM(あいみょんファン)」の憧れだろう。
リョクシャカも
『ハルノヒ』のカップリングである『鯉』や別の年に映画版主題歌になった『陽はまた昇るから』などいろいろ聴いてみた。
10数年前の旅と父の住処
そんなこの路線には個人的には10数年ぶり2度目。前回は特急「スペーシア」の4人個室に乗って浅草から鬼怒川まで乗った。見慣れない珍しい個室付きで妹が興奮していたのが懐かしい。おまけに旅した当時は父親が東京に単身赴任中で、「スカイツリーライン」が通る足立区「竹ノ塚」に住んでいたことも聞いた。
電車と親戚
また、乗っている電車の所属が「東急」であるが実はここも個人的な繋がりが。家の中にある親類の連絡先のうち、父の実弟である叔父、叔母、双子の従姉妹が「川崎市宮前区」に住んでいて、住所の字などで検索を掛けると実は電車が所属する「田園都市線沿線」であることが分かった。しばらく会えていないが、いつか真相を確かめたいところ。
見覚えある名前の駅
好きなアーティスト、かつての旅の思い出、父の思い出の地、親戚ゆかりの電車という僕に繋がり過ぎる電車と路線に揺られてやってきたのは
住吉駅。大阪市の神社の最寄りかJR神戸線と六甲ライナーが交わる神戸市の駅、そこから少し離れたところにある阪神のちっちゃい駅と全く同じ名前ゆえに関西人ならびっくりしたりちょっと興奮するのかも。
この駅には豊洲から新路線「豊住線」を伸ばして「有楽町線」を乗り入れさせる計画がある。ホーム2層式で2つのホームに4つの線路が敷ける構造。両層とも片側を半蔵門線が使い、もう一つは車庫代わりに使っていて現状でも無駄がない。とはいえ、計画が前進してるそうだから楽しみだ。
ここから新宿に行き、大好きなバンドをお供に夜の帷の中を楽しんでいく。