緑のやくもで辿る幼き日
昨年末、特急「やくも」の復刻カラー「国鉄色」に会いに行ってきた。この2週間後、もう一つの復刻カラー「緑のやくも」を狙いに岡山へ再訪した。「国鉄色」の次に撮ってみたかったカラーで物心つく前の頃を思い起こさせる。
遅延しながらも西へ
最初は快速列車で西へ。姫路からは新幹線に乗り換えた。
「山陰観光連盟」という団体が「X(Twitter)」に運用カレンダーを載せている。ただ、通常カラーとローテーションで、急な変更も過去にはあったそう。本当にいるのか行ってみないとわからない。
神出鬼没
遅延に巻き込まれつつ、岡山までやってきた。しかし、そこにいたのは「ゆったりやくも」という赤いやつ。どうも直前で変更された模様。他の復刻カラーが時刻固定に対し、「緑やくも」はローテーション。出会う難易度は高い。
なんでこんな神出鬼没やねん〜
そう心の中で嘆いて、一旦は東へ戻ろうとした。
しかし、道中でなんとなく「X」を開くと驚きの情報を見つけた。
やくも12号に「緑やくも」が入ってる
出雲市を9時半過ぎに出発し、岡山に12時半過ぎに着く「やくも12号」に「緑のやくも」が担当しているという情報や写真が溢れた。これを見るや否や岡山駅へとんぼ返りを決意。
とんぼ返り
相生駅から新幹線に乗り込み、ほぼ来た道を爆走する。
ちなみに乗ったのは「500系」。個人的には16年ぶりで前回は「のぞみ」で乗っていた。2024年現在、新幹線現役最年長で唯一「僕より年上」。そのフォルムは老若男女問わず虜にさせる。
「ぶっかけうどん」で腹ごしらえし、岡山駅で待った。12時38分、『線路は続くよどこまでも』のメロディとともにやってきた。
会いたかったよ〜
会いたかったよ〜!!
と言わんばかりに撮った僕。涙腺も緩むほど。
「緑やくも」は1990年代に初登場。車内をリニューアルし、グレーに緑と黄色を加えた。2000年代に2度目のリニューアルがされるまでは大方がこの色を纏っていた。
緑のやくもと僕
このカラーの「やくも」に対する思い出は深い。この車両と3歳ぐらいの僕がツーショットで映る写真を実家で見たことがあった。
母の証言によれば「岡山→倉敷」で乗って「チボリ公園」に行った。写真はこれから探してこの場でお見せしたいところだ。
あの時を辿りに行く
そんなわけで乗ることにした。区間はあの時と同じ。
4両中、自由席は1両のみ。けっこう混み合った。座っても降りるときに邪魔かもしれないと思って立って乗ることにした。
あのとき道中で何をしていたかは全く覚えていないし、何も思い出すことはない。しかし、あのときから「オタク魂」はあったそう。興奮してたに違いない。
緑のやくもでこの2曲
一方で、今の僕は「邦ロック好き」。もうすぐさよならになるのに因んだのと個人的に泣くほどハマる2曲とともに楽しんだ。この魂を胸に懐かしの列車を楽しんだ。とはいえ、あの時の気持ちも変わらない。「三つ子の魂」ってやつか。
倉敷駅
わずか10分で倉敷駅に到着。
かつて行った「倉敷チボリ公園」は閉園。跡地には「アリオ倉敷」「三井アウトレットパーク倉敷」「倉敷みらい公園」が整備された。
大きく様変わりはしたものの、ヨーロピアンな時計台や噴水がありし日を伝えている。そういや写真にあったメリーゴーランドもこんなテイストやったなぁ。
コーヒーブレイクとレア列車
駅ナカでパンとコーヒーブレイクし、列車に乗ろうとしたら今度は「ドクターウエスト」という車両にも遭遇した!
「在来線版ドクターイエロー」として活躍する検測車両。自社の他、九州、四国、第三セクターへの“出張”も行う。
何がどうなったかはわからないが、やけに「鉄道運」が良かった気がする。とにかく、いなくなる前に撮れてよかった。