大阪メトロのミライなミュージアム「eMETRO MOBILITY TOWN」
2025年1月11日にオープンした「eMETRO MOBILITY TOWN」。大阪メトログループによる博物館で、引退した電車の展示や大阪市営交通100年以上の歴史、交通にまつわる新技術の体験などができる。
歴史を知るだけでなく、「ミライ」を体験できる一味違うコンセプトの博物館が気になり、行ってみたくなった。
森ノ宮駅
中央線の「森ノ宮駅」に着いた。ここから10分ぐらい徒歩で歩いたところに博物館がある。
eMETRO MOBILITY TOWN
「eMETRO MOBILITY TOWN」に着いた。京都鉄道博物館のように大きなものではなく、入り口はかなりこぢんまりした簡易的なものになっている。
敷地はいずれ再開発で別の建物になる予定で、大阪公立大学やアリーナを軸にした街が造られることになる。博物館はそれまでの仮となる。
パビリオンもたくさんある。いずれも細長くなっているが、これは電車を再利用しているもの。多くはラッピングされているが、この元になった1両はそのまま展示されている。
20系 2606号車
緑色の地下鉄「20系」。2024年3月に引退するまでの40年間、中央線と近鉄けいはんな線で走っていた。2000年代半ばまでは谷町線でも見られたが、車両トレードで中央線に集結した。
3年前の中央線ではだいたいこの電車に出くわすことが多く、長きにわたって主力車両として活躍していた。しかし、万博を控えて新型車両が集中投入されたことにより、姿を消すことになった。
サステナトレイン
ブースの名前は「サステナトレイン」と呼称。今どきは「SDGs」や「サステナブル」など環境配慮にまつわる言葉や造語がトレンドなのだろうか。
余談だが、小田急電鉄と東急電鉄が西武鉄道に譲渡する車両も「サステナ車両」と命名された。市営地下鉄→大阪メトロに民営化されてから、こういう新しい流行りに敏感になってる気がする。
地味な子がギャルにキャラ変したような感覚だ(知らんけど)。
車内
平成初期の生まれで車内はくすんだレトロな雰囲気。風でカタカタいう扉も古い車両ならでは。走行中はいつもこの音がしていた。「サステナ」という表現には似つかわしい「平成レトロ」だ。
運転台もほぼそのまんま。茶色メインの古い運転台が特徴で、左手にマスコン(アクセル)、右手にブレーキの2分割ハンドルになっている。
20系のパビリオンをいくつか見てみる。座席は撤去されているが、使われなくなった電光掲示板と天井の空調が正体をチラ見せしている。
市営交通の歴史とミライ
大阪市営交通の歴史や大阪メトロが描く未来を紹介するシアターも電車の窓に映像が投影されている。座席の黒いカバーと前方のモニター以外はほぼ改造されていない。
ミライステーション
「ミライステーション」という建物へ。こちらは電車ではなくプレハブ製のオーソドックスなものになっている。
アバター作ってみた。
自分のアバターを生成できて、自分のスマホに入れて持って帰れるというもの。事前に持ち帰りQRコードがあるとスタッフから聞いたが、表示時間が10秒、どのタイミング、どこに出るかまで聞かれず逃してしまった。それでも、撮れただけよかったのと、
「もうちょっとええ顔でけたんちゃう?」
と思って許すことにした。
自動運転バス
閉館ギリギリには「自動運転バス」に乗り込んだ。電気バスを使い自動運転の実証実験を専用の道路で行っている。
今後、万博の会場内で走行する予定の他、京橋駅からここまでのバス路線では、公道での実験も行っている。
自動運転は無人ではなく、監視役の運転手が1名座っている。しかし、ハンドルは握らず、ブレーキに足を置いてアクセルは踏まない。
カメラや地上のマーキングなどを駆使し、バスを自動制御している。自動ではあるが、あまり違和感はない。
非自動運転では、人によって荒っぽい急ブレーキをかけることがたまにあるが、自動運転なら非常以外は安定したブレーキをかけられる。電車に乗ってるみたいなスムーズな加減速で酔いも少ないかも。
自動運転バスに乗ったところで閉館時間となった。
再開発までの暫定開業で設備は簡易ながら、電車を再利用したブースや自動運転バス、EVカートなど面白くて1日いても充実する。
短い時間だったが、面白い博物館だった。