炎天下とラビットと弁当箱
「青春18きっぷ」夏のシーズンインがやってきた。昔に比べれば移動範囲は縮小したが、今年度も引き続き発売。たくさんの「18きっパー」が旅に繰り出している。
そんな1人である僕。1回目は「JR東海」エリアへ繰り出すことに。さらに個人的にお初の鉄道にも。
京都から桑名
京都から琵琶湖線、米原から東海道線で、名古屋へ。
さらに、「快速みえ」で桑名へ。
桑名から
ここから乗るのが「養老鉄道」桑名から、揖斐川に沿って北上、岐阜県大垣を経て揖斐駅を結ぶ鉄道だ。
田舎の距離感
今回は立ち寄り場所もあるので、「フリーきっぷ」を購入。近江鉄道乗ったときもそうだったが、駅員は「タメ口」。嫌というよりはフランクでユルい。こういう田舎の距離感で育まれた僕にとってはこれが意外に怖くない。
そうして、きっぷに日付を入れてもらいホームへ。
伝説のラビット
止まっていたのはオレンジ色の電車。「600系」と呼ばれる車両。元は近鉄南大阪線や名古屋線を走っていた。
素早い加速が自慢で「ラビットカー」と呼ばれていた伝説がある。「ラビット」のロゴやマルーンが基本の近鉄では目立つ存在だった。後にカラーは他と統一されたが、復刻されるということは伝説になっている証拠だ。
還暦祝い
デビュー60周年で「還暦」のお祝い吊り革もある。テレビで見たときに大体このぐらいまで使う会社も珍しくはないそう。だけども、少し数が減ったからどうなることやら。
近鉄?
近鉄の車両が走ってるのも去ることながら、
制服
丸い速度標識
駅名標のデザイン
会社のロゴ
閉扉の際のアナウンス(600系のみ)
などが近鉄に酷似している。
さらに養老駅近くの道にこんな看板。2007年までは「近鉄養老線」で「600系」もこの時代から活躍している車両である。
廃止に待った
赤字を抱え、廃止にしようとしていたところに、養老線の沿線自治体が待ったをかけた。それらが出資する第三セクター「養老鉄道」が誕生した。
今でこそ違う鉄道なのに、近鉄ユーザーである僕にとっては近所にいると錯覚させるかのよう。
そんな「養老鉄道」で桑名から北上する。
ヨルシカみたい
進行方向の左側は山々。こういうのを見ると
ヨルシカみたい
と「邦ロックオタク」の血が騒ぐ。
てなわけで曲は「ヨルシカ」縛り。曲に一番似合う季節になった。
ちなみにインスタグラムで動画も作った。揖斐川沿いの夏空に『第一夜』。よく似合ってる。
昭和の近鉄カラー
すれ違う電車はいずれも「600系」。塗装は昭和時代に近鉄の一般車両で採用されていた「マルーン」。阪急電車のイメージが強いが、近鉄もちょっと色味違いの「マルーン」を採用していた。平成になると白とマルーンのコンビネーションになったが、養老鉄道ではこのレトロカラーを引き続き採用している。
揖斐川に沿って
進行右には「揖斐川」が見えてくる。「木曽川」「長良川」と並ぶ「木曽三川」の1つでその雄大な景色も拝める。
養老で寄り道
途中の養老駅で下車。
「養老天命反転地」という美術館(?)に行ってきた。灼熱の猛暑とタオル忘れたダメージ、傾斜地という過酷な環境で体力を消耗してしまった。「養老の滝」とともに冬にリベンジもアリかな。
養老駅に戻り、駅ナカの案内所でアイスを頬張ってから再び列車に乗り込む。
お弁当箱な電車
次にやってきたのは「東急」から譲渡された「7700系」。日本の鉄道において初めて、ステンレスを採用したパイオニアで「東横線」「池上線」で走っていた。ギンギラギンの見た目から「弁当箱」という異名もあった。
東急の名残り
車内には東急時代の表示が残っている。
優先座席
扉に注意のステッカー
これらは現役車両や他地域の譲渡車両でも見られる。また、閉扉の音声が「600系」と異なる仕様。ベルの音と共に「扉が閉まります。ご注意ください」と流れる。「池上線」「養老鉄道」ともワンマン運転の路線。故に当時の装置をそのまま活用している。
地元らしさ
座席は「ひょうたん柄」。養老の至るところでこれを見たことがあるから、譲渡後に張り替えられたものと思われる。また、緑の帯も「養老鉄道」オリジナル。
車内の天井には冷房とともに扇風機も付いていた。サーキュレーターのような感じで風が送られていて、体感的にはかなり涼しい。
プレイリスト
後半はヨルシカ以外もかけてみた。『愛の花』のメロディは個人的にはこういう風景がよく似合うと思う。タイアップしたドラマ自体も“植物”がテーマだし。
大垣までやってきた。
大垣に到着。
途中駅ながら折り返す形になる。同じ路線ながら、ここは効率を優先したのだろう。
懐かしいカラーも
隣には揖斐行きが停車中。赤帯の電車は「池上線」で走っていたそのままのカラー。オールドファンにはたまらないやつだ。その他2種類いるが、次の機会に。
手羽先の店で味噌カツ定食
大垣に着いて、「世界の山ちゃん」でランチ。手羽先の名店だが、味噌カツの定食もザクザク衣が非常に美味しい。
ひとっ風呂
その後は、「コロナワールド」というアミューズメント施設へ行って、温泉施設「コロナの湯」へ。
冬にあったまるのもいいが、40℃の熱い風呂で汗を流すのは「整った」ような気分。サウナは一切入らないけども。