
症例報告 ~アキレス腱外側に疼痛が出現する症例~
歩行時にアキレス腱外側に疼痛が出現している症例に対して、介入前後の歩行動画を提示させて頂きました。
右アキレス腱外側に疼痛がある症例
— Yoshiki@エコーと足部大好き (@PtGekikara) March 13, 2020
介入前と介入後の歩行動画です
介入前は足底から、介入後は踵から接地できています!
歩行速度Up、NRSは10→4、自覚的な歩きやすさも改善
治療は3つやりましたが、効果がないものありました💦
評価-介入方法についてまとめます!
許可は頂いております。 pic.twitter.com/zWdIetOgfB
今回の記事では、私がこの症例に対して考えた「3つのステップ」について、まとめていきたいと思います!
それではいってみましょう!
1.何を考えたのか?
考えるにあたり、問診と動作観察が重要になります。
1-1.問診
問診はかなり重要です!
今回行った問診の内容はこちらです!
・どこが痛いのか→アキレス腱外側~外果
・いつから痛いのか?→2w前
・痛みは2wで落ち着いたのか?→変わらない
・痛みの種類と頻度は?→鋭い痛みで歩くと毎回
・痛みは落ち着くことはあるのか?→安静時はなし
ある程度ここから推測できますよね?
1-1-1.どこが痛いのか?
問診で得た「アキレス腱外側~外果の痛み」ということで、この部分にどの組織が存在しているのかを考えます!
アキレス腱外側から外果後方にある組織は
この組織のどれかにストレスが生じ、疼痛が生じていると考えられます。
1-1-2.いつから痛いのか?痛みは変化したのか?
組織損傷・炎症性の疼痛なのかを考えます。組織損傷・炎症が悪化している場合は疼痛が増悪している可能性が高く、組織損傷・炎症が改善している場合は疼痛は軽減していることが多いです。
この症例では、「2wで疼痛に変化はなし」なので、組織損傷・炎症の可能性は少ないと判断しました。
もちろん、炎症が生じている場合もあります。必ず上記のような経過になるというわけではないので、目安として考えて下さい。
1-1-3.痛みの種類と頻度は?痛みは落ち着くことはあるのか?
炎症・神経系・筋肉系・骨の痛みの訴え方はそれぞれです。
この症例では「鋭い痛み」の訴えがあるので、神経系の痛みの可能性と考えました。上の図は、私の感覚でざっくり捉えるための指標としてます。
「痛みは落ち着くことはあるのか?」について、安静時に疼痛はないため、炎症性の疼痛ではなく、メカニカルストレスによる疼痛の可能性が高い、と考えられます。
ここまでの私の解釈をまとめると
歩行時、足関節後方組織にメカニカルストレスが加わり、疼痛が生じていると考えました。
2.どの歩行フェーズで痛いのか?
この症例の場合、歩行で疼痛が出現します。「歩行で痛いのか~」で終わらずに、「歩行のどのフェーズで痛いのか?」が重要になります!立脚初期、立脚中期、それとも蹴り出しなのかを評価します。
症例の疼痛は「蹴り出し」で出現していました。
特に親指に体重が生じた際に著明でした。疼痛部位、疼痛が生じるフェーズがわかったら、次は「どのメカニカルストレスが生じているのか?」を評価する必要があります。
3.どのメカニカルストレスが生じている?
ここから先は
ありがとうございます(#^.^#)