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肥満はTKA術後の機能回復に影響を与えるのか?

変形性膝関節症(膝OA)のリスク要因は加齢、肥満、遺伝的因子、力学的負荷、外傷(ACL損傷・半月板損傷)など多くの原因が関与して発症します。


理学療法診療ガイドラインの中で「肥満」の項目を見てみると

肥満 推奨グレード A) 
・ 2,233 の研究(うち 85 はレビュー)を分析した結果,膝 OA の主な原因と密接に関連 していたのは肥満,膝外傷の既往,手 OA,女性と高齢であった 12)。 
・ 65 歳以上の 598 名(女性 393 名,男性 205 名)を対象に標準的アンケート,骨密度, AAOS の OA 診断基準より X 線的膝 OA の危険因子を分析した。その結果,有意な危 険因子は BMI 高値,女性,高齢および bone mineral density(BMD)高値であった。 
・ 膝 OA の危倹因子は,加齢,女性,肥満,膝内反変形,外側スラスト,大腿四頭筋力 低下などであった。 
          変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン より引用

と記載されており、肥満は膝OAのリスクであることがわかります。


では、人工膝関節置換術後に「肥満」の影響はどれ位あるのでしょうか?


1.TKA術後の肥満と疼痛の関係性

TKA術後に肥満(BMI>30)がある場合と無い場合では、疼痛の改善率が異なります。


皆さんも想像できると思いますが、肥満が無い場合の方が疼痛の改善率が高いです。疼痛スコアはVASやWOMAC、HOOS等で評価しています。

図54


特に短期的な改善よりも長期的な改善率の方が高いです。

図56

注意点として、肥満群、非肥満群どちらもTKA後に疼痛は改善しますが、非肥満群の方が改善率が高いと解釈してください!

2.TKA術後の肥満と機能の関係性

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