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前回の記事で臀部の疼痛や痛みは梨状筋症候群からより包括的な概念である、”深殿筋症候群”というと言葉が用いられるようになってきていることを紹介しました。 なぜ?深殿筋症候群が用いられているかというと、臀部の疼痛は梨状筋だけでなく、深層外旋6筋や線維性バンド、坐骨大腿部の病態など多くの原因があるため、”梨状筋症候群=臀部の疼痛”というか考え方では、症状を説明できない場合もあるためです。 今回の記事では、深殿筋症候群の概念や共通する症状を知っている前提で、それぞれの各論について
立方骨は足根骨の中でも重要視されている骨になります。解剖学的に見ても、比較的多くの骨と関節を形成しますし、筋肉の起始停止、足部アーチを考える上でも重要になります。 外側縦アーチでは立方骨はKey stoneであり、足部アーチの変形や足部外側に疼痛が生じている場合、着目されることが多いです。 しかし、立方骨に着目される一方で定量的な評価が無く、セラピストの経験や知識から、評価・介入されることが多い状況です。 エビデンスはありませんが、今回の記事では私が臨床で実際に行ってい
みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 大腿四頭筋(特に大腿直筋)はハムストリングに次いで肉離れが生じやすい筋肉です。これは、大腿直筋が羽状構造を呈しているため、強い力を発揮できることや二関節跨ることが影響していると考えられます。 今回の記事では、大腿直筋の解剖に着目して肉離れを考えていきたいと思います。 ~確認事項~ 記事の内容は論文に沿って記載しております。記事の内容には、論文を読んだ私なりの解釈も含まれています。詳細に関して
外閉鎖筋は股関節深層外旋6筋の内の一つですが、一つだけ浮ている筋肉だと思います。 走行を見て頂けると、他の外旋筋とは異なり、股関節下方に位置し、前方から後方に向かっている走行しています。また、後から説明しますが、体積も外旋6筋の中でも大きく、神経支配も異なっています。 深層外旋6筋のなかでも、特徴的な外閉鎖筋には他の外旋筋とは異なる役割があるのではないかと想像できますよね? 今回は特徴的な”外閉鎖筋”について、解剖・機能を深堀していき、エコー画像から考えられる、トレーニ
肩関節不安定性がある場合、皆さんはどこから介入していますか? 私は問診や整形外科的テスト、可動域を評価した後、必ずと言っていいほど肩甲骨から介入します。 では、”なぜ肩甲骨なのか?”というと、肩甲骨は肩関節の土台となる重要な部分だからです。 みなさん「家」を考えて下さい!家は基礎の部分、いわゆる土台がしっかりしているから、建物がその上に建てることができ機能的に働くことができます。しかし、建物を田んぼや沼の上に建ててしまうと、家は傾いたり、沈んでしまいます。 私は肩関節
人間の足部は多くの関節と複数の自由度を持つ複雑な構造を呈しており、静的な姿勢や動的な活動において重要な役割を果たしています。 立位時には、足部全体で体を支持しています。歩行時では、足の接地時に可動性を高め、負荷を軽減させる役割と蹴り出しの際に足部を硬くし安定性を向上させることで、効率的な歩行が出来るようになります。 また、足にはバネのような特性があり、足を踏み出すたびに弾性エネルギーを蓄えたり放出したりします。これは、足部内在筋および外在筋によって制御されるアーチの変形に
理学療法士を含むセラピストは筋肉、骨、靭帯などの知識については豊富に持ち合わせていますが、血管や神経の走行や解剖の知識については疎い場合も多いと思います。 そういう私も学生時代や臨床に出てすぐは、血管や神経の事を考えずに臨床をやっていることがほとんどでした。 最近では、神経の解剖や役割がセラピストのなかでも認識が深まり、勉強会でも着目されるようになり、神経に対する評価やアプローチの幅が広がり、患者への対応も変わりつつあると思います。 では、血管についてはどうでしょうか?
皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 前回は足部アーチ(Lamina pedis)について記載しました。今回も足部アーチを考えるうえで重要な考え方「acetabulum pedis」について説明していきたいと思います! Lamina pedisについての復習はこちらからお願います! Lamina pedisが全体的な概念だとしたら、「acetabulum pedis」は局所的な概念になります。この「acetabulum pedis
みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 この記事では上腕筋の基礎的な解剖を知ることができ、さらに臨床において重要な上腕筋のマニアックな解剖も知ることができます! さらに、上腕筋のマニアックな解剖を知ったとしても、知識をどの様に用いればよいかわからないということを無くすため、私が担当した症例に照らし合わせてイメージ化できるようにしていきたいと思います! それでは早速行ってみましょう! 1.上腕筋の基礎的な解剖
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みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。前回の記事では外反母趾のメカニズムについて「10のStep」にて解説させて頂きました。 「外反母趾はStepで考える」を読むことで、「外反母趾の評価・介入」についてより理解が深まると思います。 1.外反母趾の評価
今回は女性の発症率が高い「外反母趾」について記載していきたいと思います。外反母趾の特徴としては女性に多く、足部の第一列やMTP関節の変形が生じます。年齢を重ねるごとに有病率は高くなります。 外反母趾があると、足部に痛みが生じるだけでなく、バランス能力の低下、歩行機能の低下など機能面の問題はもちろん、足趾の変形が進行すると美的観点においてもQOLの低下が生じます。つまり、機能面・生活面どちらにも影響を及ぼすということです。 外反母趾の発症の原因には性別、筋骨格器系の問題、遺
みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回は骨端症について記載していきたいと思います!骨端症と聞いて一番初めに思いつくものは、脛骨粗面に生じる「オスグッド・シュラッター病」「リトルリーグショルダー」などが挙げられると思います。 骨端症を簡単に説明すると「骨の成長する部分の障害」です!さらに詳しく説明していくと 成長期の骨は、骨幹部(骨幹端部)と骨端部に分かれており、その間に骨端線(成長線)が存在しています。成長期の骨端部には、骨
みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 最近、肉離れの症例を担当したり、サッカーの支援で筋挫傷を担当したり、スポーツ外傷を多く担当しています。 そこで、今回の記事は私の知識の整理も含めて、肉離れについてまとめていきたいと思います! 1.肉離れとは?まず、肉離れと筋挫傷について違いを整理していきましょう! 肉離れ ・肉離れは筋肉が遠心性に伸張され(介達外力)、筋の破断強度を越える事で生じます。短距離走や素早い切り返し動作などが原因