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映画館で前のめり『流浪の月』

映画を観ていると、すぐ眠くなってしまう私。

そんな私がスクリーンから目が離せず、最後まで前のめりで観てしまった映画です。


TAMA映画賞授賞式の映像が流れてきました。
役者さんの演技が素晴らしかったので、
受賞するのも大、大、大納得です。


1.観ようと思ったきっかけ


「撮影がものすごく大変だった」
そんなふうにW主演のお二人が、公開当初に出演したトーク番組で話していました。
「大変=面白い」という単純思考なので、軽ーい気持ちで一人で映画館へ。


2.没入感


映画が進むにつれて、徐々に明らかになっていく人物像と関係性。重い。
関係性を整理しながら、頭フル回転で見ていました。(だから、眠くならなかったのかも)
本を読んでいなくても登場人物を理解することができました。
没入感が◎です。


3.一番光っていたのは俳優さんの演技力!圧倒的!!


いつもテレビで見ている姿とは違った異質な役と徹底した役作り。三人とも。


横浜流星さん


この役どころは「粘着質でDV彼氏」
観ていてゾワゾワするくらいの怖さを感じました。「恐怖」しか印象がないくらい。

役者としての新たな一面を見た気がします。
悪役もできる!


広瀬すずちゃん

普段のイメージとは程遠い役柄で、影ある女性。
朴訥と話す感じ。誰にも心をひらけない感じ。感情が無い感じ。
観ているこちらが胸が苦しくなるくらい。
「良かったね」と希望を感じた瞬間もあったのだけれど、すぐに「希望はどこにあるんだ?」と絶望感…。
観客(私)が主人公に感情移入させられる。
横浜流星さん(彼氏)に殴られるシーンでは、私が彼女の代わりに「やめてーーー!」と泣き叫んでいた。(心の声で)
すずちゃんの演技力を見せつけられました。


松坂桃李さん


頬もこけ、ガリガリ。
主人公「文」を体現するのにその体型が必要で、私には見事に「文」が伝わってきました。
演技はもちろん圧倒的で。
「文」の複雑な心の痛みがとても伝わってきました。
いやー、凄かった!
安っぽい言葉しか出てこないのがとても残念。



私の中での特別賞をあげたい人。

すずちゃん役「更紗(さらさ)」の少女時代。
この女の子の演技も素晴らしかった。

「更紗」現在と少女時代が交互に出てくる場面が多くあったが、全く違和感ない。
少女だった頃のすずちゃんが「少女時代の更紗」を演じているような感覚になった。(顔まで似て見えてくる)

すずちゃん⇄更紗⇄子役の女の子

こんな感じで。
更紗の共通認識がしっかりされていていたんだろうなと。尚且つ演技力もあって。脱帽です。


4.鑑賞後の気持ち

ハッピーエンドでは無いので、なんとも言えない心のザワザワ、みぞおちの辺りが重苦しい感じ。
とにかく、ラストが衝撃的すぎて。
一人で観たので、その感情を話すこともできず…。
帰り道は色んなことを考えさせられました。


5.「流浪の月」原作本を読んだ

こんな終わり方だったので、原作も読んでみたくなり、本屋に直行。
本の方では、続きがあって「希望があって良かった〜」と安堵した事を覚えています。

このお話を映像の2時間でまとめると、こうなるのか、とも。


数ヶ月前の出来事を思い出しながら、書き出してみました。
それほどたくさんの映画を観ているわけでは無いのですが、『圧倒的な演技力に脱帽』の一本でした。


主演男優賞 松坂桃李さん
主演女優賞 広瀬すずさん、
新進男優賞 横浜流星さん、
受賞おめでとうございます!